beacon

今度は右足で劇的同点アシスト!! 二度もドラマ呼んだMF下田北斗、来季も大分残留決断「J2優勝しか考えていない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF下田北斗

[12.19 天皇杯決勝 浦和 2-1 大分 国立]

「勝つためにはまだまだ力が足りなかったと思っている」。大分トリニータをクラブ史上初の天皇杯決勝に導いた立役者の一人、MF下田北斗は冷静に敗北を見つめていた。それでもJリーグ王者からやってきた30歳がシーズンを通して放った輝きは絶大だった。

 0-1で迎えた後半45分、起死回生の同点ゴールはまたしても背番号11のクロスから生まれた。「左足を切られてたので右足で上げた。ペレイラを狙ったわけではないけど、ふんわりというか巻き気味のボールで落としたいと思った」。狙い通りに蹴り出したボールはドンピシャでDFペレイラの頭へ。準決勝の川崎F戦では利き足の左だったが、今度は右足でドラマを演出した。

 ところが大分は3分後、今度はセットプレーから一方的に攻められ、DF槙野智章にドラマティックな勝ち越しゴールを献上した。「油断は確実にあった。少しほっとしてしまったところがあったし、ああやってCKを与えてしまったのが反省というか課題。細かいところが勝負を分けた」(下田)。延長戦にも持ち込むことができず、1-2でタイムアップ。天皇杯制覇の夢は幻に終わった。

 下田は今季、川崎Fから加入。大分ではシーズンを通してレギュラーを担い、キャリアハイの32試合に出場した。精度の高いキックとプレーの連続性は十分にJ1レベル。J2降格が決まったチーム事情を受けて、他クラブへの移籍も大いに想定されていたが、天皇杯決勝を前に契約更新を決断した。

「チームと話もして、評価もしていただけたし、(GMの西山)哲平さんの熱意もあった。自身は試合に長い時間出させていただいていた中、J1に残せなかったので、悔しい気持ちをパワーに変えて大分で頑張らせてもらおうという気持ち」。

 そう経緯を明かした下田はすでに来季に気持ちを向けている。

「監督が変わるのでどういうサッカーになるかはわからないが、今までやってきたボールをしっかり動かして、相手を動かして攻撃していくことを継続させていければ。個人的にはボールを受けて、出して、動いてというところを続けていく。強度はまだまだ足りないので、苦手なところにも目を向けて、個人的に良いトレーニングをしてさらに成長したい」。

 チームとしての目標は「J2優勝しか考えていない」ときっぱり。「そんなに甘くないこともわかっているし、簡単ではないが、そこをしっかり見ていかないといけないチーム」。高い基準を掲げ、2017年に湘南ベルマーレでも経験した1年でのJ1復帰を誓った。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2021シーズンJリーグ特集ページ
●第101回天皇杯特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP