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[J内定高校生の声_10]左サイドを切り裂くドリブラー。長崎内定の前橋育英MF笠柳翼「ライバルは岡本一真」「デートに行くなら…」

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 ゲキサカでは2022年にプロ入りする高校生選手たちをインタビュー。進路を決めた理由や自分の半端ないところ、選手権へ向けた意気込みのほか、『ゲキサカ質問箱』から好きな女性芸能人やハマっている漫画・Youtube番組、チーム内での流行りなどランダムな質問にも答えてもらっている。

 第10回は、V・ファーレン長崎内定の前橋育英高(群馬)MF笠柳翼(3年=横浜FCジュニアユース出身)だ。背筋の伸びた姿勢から切れ味鋭く突き進むドリブルに、ここぞというシーンで繰り出されるセンスあふれるスルーパスも魅力的なアタッカーが、長崎サポーターやサッカーファンへ向けて自身のことを明かす。

【ゲキサカ質問箱】より
―サッカーを始めたきっかけは?
「サッカーを始めたのは、そんな覚えていないんですけど、物心がついた時にはボールを蹴っていて、お父さんもお兄ちゃんもやっていて、特にお兄ちゃんのサッカーチームによくお邪魔させてもらって、自分もボールを蹴っていたので、その時からだから、小学校1年生ぐらいだったかなと思います。お父さんも小さい頃からサッカーをやっていて、大人になっても社会人でちょっとやっていたり、それがあったから自分も今があるかなと思います。サッカー一家です」
(―名前は『キャプテン翼』から来ている?)
「ちょっとそこはよくわからないですけど、『キャプテン翼』の影響は少なからずあったのかなと思います」

―よく見るYouTubeチャンネルは?
「サッカーの動画はよく見るんですけど、今自分は『コムドット』っていう若い5人組のYouTubeチャンネルをよく見ていて、毎日8時半ぐらいに動画が上がるんですけど、夜それを毎日見るようにしていて、それが良い癒しというか、リラックスタイムになっていると思います。高校生はほぼ全員スマホを持っていて、その中でユーチューバーはたくさんお金を持っているイメージもあるので、憧れと言ったらおかしいですけど、ちょっとうらやましく思います(笑)」

―スマホでゲームやってる?何のゲーム?
「自分はスーパーセルさんの『ブロスタ』だったり『クラロワ(クラッシュ・ロワイヤル)』をやっていて、特に今は『ブロスタ』を夜、黙々と進めてやっている感じです。今は(寮が)2人部屋なので、一緒に2人で協力プレイでリラックスしながらやっている感じです。たまにちょっとやり過ぎて、1時間とか2時間とかやっちゃう時があるんですけど(笑)、そこは早く寝ないといけないので、頑張ってやめるようにしています」

―今後どんなサッカープレイヤーになりたい?
「自分の目標としては、最終目的でもあるんですけど、サッカー選手として攻撃をやっている以上、自分が点を獲ったり、アシストをしたりして、チームを勝たせられる選手というのは心の中でも思っていることなので、フィジカルとかハードワークもそうですけど、自分が点を決めて、サポーターとかファンのみんなも沸かせて、チームの勝利に貢献できるような選手になっていきたいとも思います」
(―よく子供たちに夢を与えたいとよく話しているが。)
「ちょっと話は変わっちゃうんですけど、子供が結構好きで、中学校の保育園実習とかでは、子供と触れ合う上で、子どもの笑顔はかわいいものがあって、そういうお手本になれるような選手になっていきたいと思います。子供もドリブルは好きだと思うので、そういうところに憧れを持ってもらえたらなと思います」

―デートに行くならどこに行く?
「やっぱり自分は大人になったらですけど、夜景とか見に行って、2人で海沿いを歩けたらいいなと思います。恥ずかしい……(笑)。赤レンガ倉庫とか、そこらへんは海沿いなので、イルミネーションとか見ながら歩けたらいいなと思います(笑)」

―今まで一番嬉しかった試合は?
「最近行われた群馬県の第100回選手権予選決勝で、そこは本当に勝つか負けるかで天と地の差がありますし、全国大会が懸かった大きな試合で、ああやってチームとして勝ち切れたのは良かったかなと思います。ああいう苦しい中で、自分が点を決めたり、アシストしたりするというのは本当に嬉しいことだと思いますし、そこでチームを勝たせられる選手というのは重宝されていくと思うので、これからも意識してやっていきたいと思います」」
(―試合中の笑顔が印象的だった。)
「サッカーは楽しいものですし、楽しまないとどんどん視界も悪くなっていくので、そういうところはしっかり大切に持つようにしています」

―高校生活で今だから言える失敗談を教えて。
「自分はこの高校生活はサッカーに夢中になり過ぎて、朝昼晩ほぼサッカーをやっていたようなものだったので、もうちょっと遊びに行ったりとか、他のことに興味を持って、高校生らしい高校生活を送れたら良かったかなと思います。仕方ない部分はあるんですけど、このコロナ禍もあって、体育祭とか修学旅行がなくなっちゃったのが、自分にとっては失敗談とは違いますけど、ちょっとやり残したかなと思います」

―10年後、何してる?
「10年後も今みたいに現役でプロサッカー選手をやっていけたらいいなと思いますし、そのためには日々の食事とか普段の生活とかも気にしながらやっていかないといけないので、そういう部分でできることはしっかりやっていきたいと思っていますし、そういうことをしっかりして、10年後もサッカーをバリバリ続けていけたらいいなと思います」
(―10年後はどういうステージでバリバリやっている?)
「10年後なので、28歳……。本当に海外とか第一線で、トップを争うぐらいのレベルでサッカーができたら、自分としても楽しいですし、やるからにはそこを目指して頑張っていきたいと思います」

【J内定選手一問一答】より
―V・ファーレン長崎内定が決まった感想は?
「小さい頃からの夢だったので、すごく嬉しいと思う部分はあったんですけど、その反面やっぱりこのままじゃダメだという焦りもありましたし、なおさらトレーニングしようというモチベーションにはなったかなと思います。中学の時からJの下部組織にいて、プロになるという意識はずっと植え付けられてきて、自分も思っていたことなので、1回離れましたけど、また高校卒業時にプロになれるというのは本当に嬉しいことだと思います」

―V・ファーレン長崎を選んだ理由は?
「V・ファーレン長崎の選手たちは本当に良い人ばかりで、コミュニケーションも凄く取ってもらえて、自分からも凄く行きやすかったですし、サッカー面以外でもそういうところが本当に大切だと思ったので、選びました」

―練習参加した時の印象は?
「プロサッカー選手というのは、何時間も前から練習の準備をする人もいますし、練習に入った途端に雰囲気もガラッと変わって、楽しむところもあるんですけど、強度は高校生とは違って普段では感じられないものだったかなと思います」

―印象に残った選手は?
「引退が発表されてしまったんですけど、玉田(圭司)選手は本当にトラップとかキックとかどれをとっても別格でしたし、練習に向かう姿勢というのも、あの歳になっても昔から変わっていないんだろうなという気がしました。本当にオーラがある人なので、最初は話し掛けづらかったんですけど、玉田さんの方から話しかけてきてくれて、そこで話せたのは嬉しかったです」

―自分の最もハンパないところは?
「自分はドリブルだけじゃなくて、スルーパスも武器だと思っていますし、スルーパスに関しては普段から『スペースに置く』ということを意識してやっているので、そこは見てもらいたいかなと思います。群馬県の決勝では本当に丁寧に置いてあげるというのはできたと思いますし、動画を見返しても結構キレイなフォームで丁寧に出せたかなと思います」

―ドリブルに対する自分のこだわりは?
「高校2年生ぐらいから監督にはずっと『失敗してもいいから仕掛けろ』って言われてきたので、その時期にたくさん仕掛けてきたからこそ今があって、失敗を恐れずにやっていなかったら今の自分はなかったと思いますし、ドリブルで相手を切り裂いていくことで局面を変えられるので、そこはこれからもやっていきたいなと思います」

―上半身がスッと立っているドリブルが特徴的。
「自分は好きな選手がグリーリッシュ選手で、ちょっと真似してみたというか、軸足をボールより前に出すということを意識したら、自然と上体が上がるというか、そういう感覚になれたので、そこで視野も確保できますし、状態が猫背にならないようには常に意識しています」

―グリーリッシュが好きというのが素晴らしい(笑)
「アストン・ヴィラ時代から好きだったので、ちょっとマンCに移籍してしまったのはみんなに知られちゃった感があるので残念ですけど、マンCに行ってからも活躍が見られるので、それはそれでいいかなと思います。ヴィラから知っていたというのは強調したいです(笑)」

―自分の理想としているプレー、これが出せたら嬉しいというプレーはどういうもの?
「ドリブルとかスルーパスもそうですけど、ハードワークとか戦うという部分はまだまだ足りていないですし、これから必要だと思っているので、そういうところでも世界の選手たちは上手いだけじゃなくて、そういうハードワークも絶対やっているので、自分もそこは負けないようにどんどんやっていきたいと思います」

―今シーズンのここまでの自分のプレーで良かったところと、足りないところは?
「今シーズンのプレーで良かったのは得点数とかアシスト数とか、ゴールに関与することが増えたかなというのは自分でも凄く思っていて、そういった部分ではゴール前に出ていくとか、そういうことを意識してやっていたことが良かったと思います。逆に足りない部分で言うと、連続した動きとか運動量はまだまだ課題だと思うので、そこは修正してやっていきたいなと思います」

―相手にとって怖い選手になってきた印象もある。
「よく言われたのは『上手いだけで終わっている』みたいな。『ちょっと足元が上手いから満足してるんじゃない?』みたいな感じで言われていたので、そこは本当に変えようとはずっと思っていました。でも、それは高1ぐらいから自分も思っていたことなので、ここでそういう結果に結び付くプレーとか、相手に嫌がられるプレーが出てきたのは、自主練の成果や試合での姿勢が出たのかなと思います」

―だいぶマークは厳しくなってきた。
「いろいろなものを経験させてもらった上で、マークも厳しくなりますけど、そこからまた自分が成長できるので、試合中はちょっと嫌な時もあるんですけど(笑)、それを打ち破ればどんどん上に行けると思うと、ポジティブに捉えた方がいいかなと思います。やっぱり自分は自主練しかないと思っているので、そういう状況に立たされた時でも、いかに良い思考でいられるかというのは自分としても大切にしていて、よくプロサッカー選手の本とかも読むと、思考というのはメンタルにも影響してきますし、立ち振る舞いだけでも良い思考は持っていた方がいいかなと思います」

―自分にとってのライバルは誰?
「岡本一真です。高1からずっと一緒にやってきて、高3になって2人でプロ入りを決めましたし、選手権も去年は2人で悔しい想いをして、そこから『今年の選手権は絶対桐一に勝ってリベンジしよう』という話はしてきたので、そこは良い仲間でもありながら本当にライバルでもあって、紅白戦とかでは右サイドバックと左サイドハーフなのでバチバチにやりあえますし、そういったところは凄く楽しいなと思います」

―岡本選手はどういう所が凄い?
「一真は本当に対人が強くて、やる時は『嫌だなあ』と思ってやっているんですけど、それでもやっぱり負けたくないですし、1対1は世界でも強い人は強いので、そういうところは一真がいるおかげで自分のドリブルも上手くなっているというのは、本当に大きいかなと思います。技術もそうですけど、意識が一真は他の人と違って、自分もそこで同じ高いレベルの意識を共有できるのは本当に心強くて、一真がいるから練習中もちゃんとやらないといけないと思いますし、一真が高いパフォーマンスを出したら『オレも負けてられないな』と思うので、そこは2人で切磋琢磨しながらやっていけているかなと思います」

―プロで対戦してみたい選手は?
「育英のOBの選手と、櫻井辰徳さん(ヴィッセル神戸)は去年一緒にやっていた仲間ですし、敵だったら相当嫌だと思うので、対戦してみたいかなと思います。1年生の時に同部屋で、結構面倒を見てもらって、そこから2年生になって、本当に試合でともに戦うチームメイトになって、辰徳さんもよく心配してくれましたし、2年生の時は自分が良いプレーができなくてへこんでいたりしたら、辰徳さんが声を掛けてくれて、また自分のモチベーションを上げてくれたところもあるので、恩返しじゃないですけど、プロの世界で、同じピッチで敵か仲間かわかりませんけど、対戦出来たらいいなと思います」

―高校選手権はどういうもの?
「自分にとっては小さい頃からテレビで見ていた憧れというか、そういったピッチに次は選手として出場できるというのは凄く嬉しいですし、特に100回大会というのは本当にメモリアルなことで、自分にとっても前橋育英にとっても、ここは優勝という大きな目標を持って戦っていくべきなのかなと思います」

―個人としての目標は?
「個人としてはチームを勝たせるということが第一優先ですし、その中でドリブルとかスルーパスとか違いを見せていって、得点王も絶対に狙っていかないといけないと思いますし、優勝するには点を決められる選手が大事だと思うので、そこは自分が率先してやっていきたいかなと思います。前橋育英は本当に日本一を目指す強豪校だと思っているので、最近は良い結果が出せていないですし、今年の100回で『やっぱり前橋育英だったな』と思われるぐらいのプレーをして、チームとしても個人としても日本一を狙って頑張っていきたいと思います」

―プロ1年目の目標は?
「選手権が終わったらすぐプロに切り替えないといけないですし、キャンプがもう1週間後ぐらいにはあるので、そこのキャンプからアピールして、開幕戦のスタメンを狙うくらいの気持ちで行きたいです。自分は若手なので、そのぐらいの積極性は持った方がいいと思いますし、他の人の良いものも吸収しながら、自分も高め合っていけたらいいなと思います」

―サッカー選手として辿り着きたい目標は?
「ゆくゆくは海外で戦っていきたいと思いますし、日本人の選手でも海外に出ている人がたくさんいるので、サッカー王国と言われるような国でサッカーがしていけたらいいなと思います。最初は自分はドイツかなと思っていて、ドイツは日本人でも活躍している選手がたくさんいますし、そこを通っていろいろなところにステップアップしていければいいなと思います」

―V・ファーレン長崎のサポーターへメッセージを
「V・ファーレン長崎のサポーターの皆さん、前橋育英高校の笠柳翼です。自分はまずこの高校サッカー選手権をしっかり戦い、そして次はプロとしてV・ファーレン長崎のチームに合流します。1年目から先輩たちを抜くという強い気持ちで、積極的にアピールしていきたいと思います。そして、J1昇格、Jリーグ優勝に向けて頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」

(取材・文 土屋雅史)
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