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深井正樹コーチが攻撃面を「改革」「整理」駒澤大が15大会ぶり“復活V”

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深井正樹コーチが宙に舞う

[12.25 インカレ決勝 阪南大2-3駒澤大 NACK5]

 常に先行された展開だったこともあり、この日の駒澤大(関東2)のサッカーは、ロングボールで局面の打開を図る“伝統的”なシーンが多く見られた。結果が伴ったことに不満はないが、深井正樹コーチも「内容は評価できない」と苦笑いを浮かべる。

「深井が来て整理してくれた」。秋田浩一監督が話したように、選手も声を揃える。それほど、今季の躍進に深井コーチの存在は欠かせなかった。

 深井コーチはJリーグで通算300試合出場を超えるキャリアを重ねたあと、19年より駒大の総合教育研究部スポーツ・健康科学部門助教およびサッカー部コーチに就任。そして今年度よりトップチームのコーチとして練習から指導を行っている。

 取り組んだのは、やはり攻撃面の改革。「駒大に戻ってきて、攻撃的な選手を見ていると、予測する場所や入って行く場所があまり良くなかった。繋ぎのところで一回やったあとにゴール前に入って行くのが遅いとか、そういうところが目に付いた」のだという。

 成果は目に見える結果として表れた。FW土信田悠生(4年=高川学園高/熊本内定)、FW宮崎鴻(4年=前橋育英高/栃木内定)、FW荒木駿太(4年=長崎総科大附高/鳥栖内定)の3トップは揃って2桁ゴールを記録。大学屈指の攻撃的なチームを作り上げると、“就任一年目”の冬に日本一へと導いてみせた。

 ただまだ深井コーチによる改革は始まったばかりだ。「前に早く蹴るのは、意図があればいいが、(今日は)意図がないパスが多かった。何をしたかったの?と受ける人の意思表示もなかったので、その辺を改善していきたい」。目標はもちろん連覇。この日の先発11人のうち9人を占めるなど、多くの4年生が卒業するが、元Jリーガーコーチはこれからも貪欲に理想を追い求めながら、新たなチーム作りを進めていく。

(取材・文 児玉幸洋)
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