[12.27 高円宮杯U-15決勝 鳥栖U-15 4-1 FC LAVIDA 味フィ西]

　頂点踏破に欠かせない存在だ。サガン鳥栖U-15のFW山崎遥稀(3年)は価値あるチーム2点目で今大会5ゴール目をマーク。高円宮杯U-15連覇とともに、得点ランク単独トップに輝いた。

　開始早々にMF川越廉斗(3年)のゴールで先制した鳥栖U-15。その4分後には追加点が生まれる。DF古舘宗也(3年)が中盤左をドリブルで駆けると、山崎が得点感覚を研ぎ澄ます。「ちょっと横にずれたらボールをくれた。ゴールが空いていたので、そのまま打ちました」。一瞬の隙を突く豪快なシュートは、相手GKのセーブを弾き飛ばし、そのままゴールに吸い込まれた。

　エースは得点以外でも魅せる。前半17分には中盤まで下りてパスを受けると、細かいタッチと強靭なフィジカルでボールをキープ。相手選手を引き付けながらスルーパスを出すと、MF江頭瀬南(3年)からMF江下憲成(3年)へとつながり、勝利を決定づける3点目が決まった。

　試合は4-1と鳥栖U-15の圧勝で連覇達成。山崎はこの試合の得点で、得点ランク単独トップに立つ5点目を記録した。準優勝に終わった夏のクラブユース選手権でも、7ゴールで得点ランクトップタイ。「クラセンも得点王になって自信があったので、今大会も取れてよかったです」(山崎)。夏冬合わせてその能力を示してみせた。

　森惠佑監督は「鳥栖らしいハードワークできるFW。攻撃の中心として得点も、チャンスメイクも、プレッシングも。トータルで貢献してくれた」と得点能力以外も高く評価。山崎は自身の成長について、守備面を挙げる。「守備のときは全部キャプテンの大場(章太郎)に任せていた。自分も攻撃だけど、しっかり声を出してやっていけばいいということを監督に言われたので、今大会ではそれを意識してやりました」。最前線から見える相手の動きを、味方に伝えた。

　最高の形で中学を卒業し、来年からは鳥栖U-18に進む。ユースの目標は、17歳6か月10日というJリーグ史上最年少で今季のJ1開幕戦スタメンを飾ったDF中野伸哉。同ポジションの目標は、鳥栖から海外に飛び立ったFW林大地(シントトロイデン)だ。「まずは、中野伸哉くんみたいにプロデビューして活躍できたらいいと思います。高校生でトップのチームであそこまでやれるのは本当にすごい。FWとしては、林大地選手みたいに、守備もできる選手になりたいです」。躍進続ける鳥栖アカデミーから、新たな逸材が登場する。

(取材・文　石川祐介)

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