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“3度目のA代表”での変化語った中谷進之介「あの時に無理してでも行ってよかった」

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日本代表のDF中谷進之介(名古屋)

 日本代表のDF中谷進之介(名古屋)が19日、トレーニングキャンプ3日目のオンライン取材に応じた。今月末にはカタールW杯アジア最終予選が再開する中、DF吉田麻也(サンプドリア)の負傷でセンターバックの欠員が発生。「変な言い方をしたらチャンスはチャンス。メンバーに入れるように意識して臨みたい」と決意を示した。

 中谷にとって今回のトレーニングキャンプは、昨年3月・6月に続く3度目の代表招集。これまでの活動よりも平常心で臨めているという。

「ちょうど昨日、江坂(任)選手と山根(視来)選手と話していたけど、初めて練習行った時と初めてのゲームが一番キツかった。メンタル面で初招集のプレッシャーがあったけど、そういうのがなくなったなと話していた。ある程度、やる内容や強度もわかってきたので、慣れではないけど変な感じ方はしなくなった」

 そういった変化はトレーニング風景からも感じ取れる。昨年の練習中には3月は吉田、6月はDF長友佑都(FC東京)と先輩に話しかけに行く姿勢が目立ったが、今回の合宿ではDF西尾隆矢(C大阪)、トレーニングパートナーのDFチェイス・アンリ(尚志高)ら後輩たちと話す場面も。年長者とは食事会場などでも気兼ねなく話せるようになったからだという。

「もう無理しないで喋れるようになった。食事会場やお風呂で緊張して話す場面は減ったし、あの時に無理してでも(話しかけに)行ってよかった」。そう当時を振り返った中谷は今回、同じ柏ユース出身のDF酒井宏樹(浦和)とも代表チームで再会。「僕らはあの世代を見て育ったので偉大な大先輩。酒井くんは気さくに喋れるので、世間話もしている」とすでに平常心で代表生活を送ることができているようだ。

 もっとも、ピッチ上では挑戦者としての心境は変わっていないという。報道陣から後輩たちとの関わりを問われた中谷は「僕自身も代表で経験が少ないほうなので、正直に言えば彼らと一緒に学んでいる感が強い」ときっぱり。「代表に入ると残り続けたい思いが強くなる。代表の基準を求めるようになるので、その意識から自分に求めるスタンダードが変わった」という日頃からの積み重ねを発揮し、生き残りへの意識は強い。

 今回の合宿では最終日21日に予定されていたキリンチャレンジカップ・ウズベキスタン戦が中止となり、大学生とのトレーニングマッチに変更。国際試合でアピールする機会がなくなってしまった。だが、中谷はモチベーションを失わずにトレーニングに取り組んでいる。すべてはW杯最終予選に参加するためだ。

 W杯予選のメンバー発表は合宿最終日翌日の22日。「センターバックの絶対的なレギュラーが怪我をしていないということで、そこに残っていくためにはこの合宿が大事。酒井君とか偉大な先輩方とああいう舞台でプレーできるようにしたい。そのプレッシャーを感じたいというのもあるので、そこに行けるように頑張っていきたい」。トレーニングはあと3日。懸命にアピールを続けていくだけだ。

(取材・文 竹内達也)
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