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谷が負傷辞退、川島感染明けも…GK権田に慢心なし「僕のことを物足りないと思っているのは重々承知」

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日本代表のGK権田修一(清水)

 日本代表のGK権田修一(清水)が20日、報道陣のオンライン取材に応じ、ワールドカップイヤーへの決意を示した。「よく集大成という言葉があると思うけど、そもそも毎試合集大成だと思ってやっている。毎試合、後がないと思ってやっている」。現状では守護神争いをリードしているが、満足した様子はなさそうだ。

 今回の合宿では谷晃生(湘南)が負傷により参加を辞退し、GKはトレーニングパートナーの北川空(流通経済大)を含めても二人のみ。W杯予選を見据えても川島永嗣(ストラスブール)が新型コロナウイルス感染から復帰したばかりで、これまでの守護神レギュラー争いの構図とは大きく異なる状況となっている。

 だが、権田は現状の立場に安堵するどころか、自らに厳しい矢印を向けていた。「ネットは見るので。メディアの方々のスタメンからは毎回僕のことを外してもらっていて、僕のことを物足りないと思っているのは重々承知している」。報道陣にそう切り出した32歳は「日本代表でやる以上は競争をやって、勝ち抜いていくことをやっていくメンバーが一番結果を出せるメンバー」とレギュラー争いに挑んでいく姿勢を強調した。

 実際、攻守に強みを持つ守護神が若手でも台頭してきている。谷とGK小久保玲央ブライアンの名前を挙げた権田は「若くていい選手がJリーグでも世界でも出ている。僕がポジションを守ろうとしたらチャレンジしなくなってプレーの勢い、向上するところを失ってしまう」と指摘。年末のW杯本大会を意識はせず、目の前の一戦で良いパフォーマンスを発揮することにフォーカスしているようだ。

「定位置があるスポーツではないし、ましてや日本代表なので。W杯は大事にしているけど、W杯を見据えて怪我を気をつけるというのはしたくないし、毎試合ゴールを守る必要があれば怪我をして絶対に守るという意志でいく。守りに入らずやり切った結果、どうなるかは誰もわからない。今年も今までどおりやっていきたい」とワールドカップイヤーへの意気込みを語った。

 そんな権田は清水のグラウンドが使えるようになった8日以降、石野智顕GKコーチとともにこの合宿に向けて仕上げてきたというが、試合感には課題を認識している様子。月末に控えるW杯予選に向けて「個人スポーツじゃないので周りを見るところ、ゲームに入っていくところはヨーロッパでバリバリやっている選手たち、この週末も試合をしている選手たちといろんな部分で感覚を合わせないといけない。一日一日を大切にやらないといけないと思っている」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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