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U-23新エースへ、初ゴールの豊田「満足できない」

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[3.27 国際親善試合 U-23日本代表1-1アンゴラ代表 国立]

 U-23日本代表は27日、東京・国立競技場でアンゴラ代表と対戦し、FW豊田陽平(22=山形)が代表初ゴールを決め、1-1で引き分けた。北京五輪登録メンバー18人への生き残りをかけたサバイバルゲーム。昨年のアジア予選で主力だったFW平山相太(22=F東京)、FW森島康仁(20=C大阪)がメンバー落ちするなど熾烈さを増すFW戦線に新たなストライカーが名乗りを上げた。
 後半8分、右サイドのスローインからMF長友佑都(21=F東京)が右サイドを突破。グラウンダーの折り返しに反応した豊田がDF2人の間に走り込み、左足ダイレクトで豪快にゴールネットに突き刺した。「瞬間的だったので、GKだけ外そうと思って蹴りました」。ケガで辞退した昨年5月の静岡合宿以来の代表復帰。試合出場は反町ジャパンの初陣だった06年8月7日のU-21中国代表戦以来だった。ようやくめぐってきたチャンスに集中力を研ぎ澄ましていた。
 代表初ゴールに「ゴールが決まった瞬間は声援が気持よかった」と振り返ったが、「興奮は今は特にない。あさって(29日)に甲府戦があるし、考えはもうそっちに向かってます」と平然と言った。得点以外にも身体能力の高いアンゴラに対し競り負けず、空中戦でも互角以上に渡り合った。それでも「安ど感?そんなのあったらダメだと思う。今日だって1点しか取れずに、勝ち越せなかった。満足はできない」と淡々と語った。ゴールを決めたとはいえ、これで北京にいけるわけではない。北京行きの切符をめぐる争いでは、まだまだ優先順位が低いことは自分が一番分かっている。点を取り続けるしかない。だからこそ豊田の視線は試合後すぐにJ2の舞台へと向いていた。

(取材・文 西山紘平)

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