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日本代表キリンチャレンジ杯、キリン杯メンバー発表 森保一監督会見要旨

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 日本サッカー協会(JFA)は20日、オンラインで記者会見を行い、キリンチャレンジカップとキリンカップの4試合に臨む日本代表メンバーを発表した。

 メンバー発表会見では森保一監督、反町康治技術委員長が約35分にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

反町康治技術委員長
「W杯本大会まであと半年になった。そうした意味では、これから本大会に向けての逆算、どうやって準備していくかという段階に来ている。今月末からIMDになり、パラグアイ戦、ブラジル戦、ガーナ戦、チュニジアかチリ戦。この4試合はわれわれにとって強化として最も大事になってくると考えている。コロナの状況もあるものの、お客さんの入りには制限がない。声援等は難しい状況ではあるが、できれば生でスタジアムに足を運んでいただきたい。(すでにチケットが完売の)ブラジル戦が難しいというのは聞いているが、足を運んでいただいて、応援していただければ。難しい地域もあるので、画面を通じてサムライブルーを応援していただければと思う」

●森保一監督
「サポーターの皆さんに日頃から日本代表を応援していただきありがとうございます。W杯最終予選も皆さんが応援してくださったおかげで戦い抜くことができ、本大会に駒を進めることができた。応援ありがとうございました。キリンチャレンジ杯、キリン杯、世界の強豪と試合ができることに感謝申し上げる。W杯本大会への準備となる4試合、個のレベル、チームがレベルアップできるよう、一戦一戦勝利にこだわり、チームがレベルアップできるよう戦ってまいりたい。各試合、ファンサポーターの皆さんに喜んでもらえるよう戦いたいので、応援よろしくお願いします」

——大幅に新しい選手を試すより、成熟度を高める狙いがあるように見受けた。この4試合をどう戦っていきたいか。
「W杯に向けてチームづくりを進めることで、チームのレベルアップを確実にできるようにということを思っている。メンバー選考に関してはいろいろな捉え方があると思うが、まずはW杯に向けて戦術浸透をさらに図っていく、オプションを作っていくことをやっていければ。メンバーに関してはいろんな見方があると思う。代わり映えないといわれることもあると思うが、選ばせてもらった選手はシーズンを通して力を見せている。普段のスカウティングから今回の選手を招集させてもらった。チーム作りはもちろん進めていく中で、これまで未招集だった選手、なかなかチャンスがなかった選手もこれから期間はあるので、その中でスカウティングを重ねて、最終的に最強のチームを作れるように考えていきたい」

——大迫勇也が選外となった。彼の状態をどう見ているか。アジア杯後に課題になっていたが、彼のいない時にどう戦っていくか、彼がトップフォームでない時にどう日本代表の形を作っていくかを詰めて考えないといけない。前線をどう考えているか。
「大迫の状態だが、直近の試合でメンバー外ということで詳しい情報は入手していないが、コンディション的には100%ではないと聞いている。彼はこれまでも自分の体調的には痛みを抱えながら、100%でないところをチームの状況を見て、なんとかチームのために、チームの勝利に貢献しようとかなり無理して試合に出ている。彼の男気は素晴らしいが、その反面、コンディションが100%になっていないということなのかなと思う。代表チームにおいても彼が長くチームを引っ張ってきてくれた存在であると私も見ている。彼が代表でプレーできないことは残念だが、また大迫抜きで戦った時にチームとしてはいろんな選手にチャンスがあり、チームの伸び代をさらに増やしていくところ、チーム力をさらに上げていく部分ではチャンスになる。代わって入る選手、ここがチャンスだと思っている選手には思い切りプレーしてもらい、代表の戦力として成長してもらえればと思う。チーム全体のレベルアップをするためにもここがいい機会だと思うので、オプションを作るということと、どの選手がアピールしてくるのか楽しみに活動したい」

——初招集の伊藤洋輝をどう見ているか。
「シュツットガルトでシーズンを通してDFのポジションで出続けた。守備のところで屈強な相手を止めながらも攻撃では彼の良さを出して、チームの攻撃の起点となる選手として活躍していたと思っている」

——大迫勇也が選外となったが、万全ではない冨安健洋が招集されている。その意図は。
「本人のコンディションを代表チームで確認したいというところ。そしてこの先の代表の活動の中で彼が練習できる、試合をできる見通しもあるということで招集させてもらった。実際は怪我の状況をしっかり見て、どういうふうにチームとして彼をサポートしていくかは実際のメディカルの判断に従ってやっていきたい」

——W杯まで全体で6試合できる中で今回4試合するが、このレベルまで行きたいというものはあるか。
「より高くというのもが常にあるので、どこまでかは分からないが、選手が持っている力、そして日本代表チームとしてのパワーを最大限伸ばせるようにしていきたい」

——3バックをやってみたいとか、新しいことをチャレンジしてみたいというのはあるか。
「まずはこれまでやってきたコンセプトをより徹底して発揮できるように、ベースの部分をより強固にできればなと思っている。選手も前回の3月の代表活動からは若干代わっているし、前回の招集からは期間も空いているので、チャレンジしたいことはたくさんあるが、まずはコンセプトのベースとなることをしっかりと浸透させられるようにしていきたい。その上で、できれば新しいチャレンジしていくことを考えていきたい。まずはわれわれが持っている力、それは選手の個の力、そして日本代表としてのチーム力を最大限に発揮すれば、どこと戦ってもわれわれがしっかり自信持って戦えるように、自分たちのレベルアップできるように考えていきたい」

——昨年も同じような活動期間があった中で、A代表の合宿に参加した選手から新しいことをやらず、物足りなさを感じている声も出ていたが、同様の期間がある中で濃いものにしていくために何をしたいと考えているか。
「先ほども話したが、チームのパワーを最大限発揮できるように、ベースであるコンセプトをまず浸透させられるようにしたいと思っている。その先に3バックで戦うとか、4-3-3を4ー2-3-1にするということも考えていきたいが状況次第。ベースが整っていないのにオプションだけつけても、結局立ち返るところがなくなって、選手の良さもチームの力も発揮できないことになりかねない。まずは軸となるところをしっかりやりつつ、今回のキリンチャレンジ、キリンカップの4試合、その先のW杯に向かっていけるように積み上げていきたい」

——伊藤洋輝は2018年1月にウズベキスタンで行われたAFC U-23選手権で中盤で起用していた。現在までに見方が変わった部分があるか。
「よく調べていますね。私が東京五輪チームを見させていただいていた時、彼を招集し、起用したことがある。その時は彼は中盤のプレーヤーとして所属チームでプレーしていた。なのでボランチで起用した。その時から今を比べて何が良くなったのかなという質問だと思うが、守備力が格段に上がったと思っている」

——鎌田大地、堂安律が復帰したが、前回招集していた時から変化した部分があると思うか。
「大きな変化が彼らにあったかどうかは分からないが、彼らは所属チームで自分の存在を常に見せ続けていた。いいプレーをしていたと見ている。大きく変わったところで言えば、今度会うのを楽しみにしているが、二人ともタイトルを取ったこと。タイトルを取った自信というものは間違いなく彼らの力に上乗せされていく。彼らの雰囲気が変わっているところ、さらに貪欲に向上心を見せてくれることを期待している」

——旗手怜央が選ばれなかったことでインサイドハーフの選手が少ないが、鎌田大地、堂安律、久保建英の起用もあるか。
「状況的に練習で見て決めたい。いま挙げられた選手はインサイドハーフでもプレーできる選手だと思っている。また形は一つだけでなく、チームのコンセプトの中、システムを変えながら選手たちの良さも発揮してもらえるようにということもトライしていきたい」

——(反町技術委員長へ)普段は活動の前週に代表メンバーを発表しているが、前倒しした狙いは。
反町技術委員長「メンバーを見ていただいてもわかるように、ヨーロッパのシーズンが終わっている、もしくは終わりに近づいている段階で、われわれは6月2日には100%の状況で試合に向かわないといけないと考えると、その前の準備段階が非常に大事になる。メンバーを早く知ることによって、その準備がより加速して、整いやすくなる。それを踏まえて、少し早いけど発表させていただいた」

——以前、30人前後の招集になると話していたが、28人なので「30人前後に」とも言えるが、この人数に落ち着いた経緯は。
「いま答えも言っていただいた。もちろん招集だけを考えればもっと多くの選手を招集したい思いはある。しかしながら、この活動期間でトレーニング、そして4試合という試合数が限られている中、どういう形で選手を見ていくか、チームとして戦いに臨むことを考えた時、この人数が適切ではないかということでスタッフで議論を重ねて招集メンバーを決めた」

——大迫敬介が谷晃生に代わって入っている。今季の彼のパフォーマンスをどう考えているか。菅原由勢のパフォーマンスについても聞きたい。
「二人とも理由は同じ。GKの大迫に関してはスカウティングを重ねている中、パフォーマンスがいいということで招集させてもらった。谷と代わって入ってきたと言ったが、スカウティングしている段階では一人の入れ替えではない。いろんな選手が力を見せてくれている中、大迫が今回は代表の招集として妥当なのではないかということで選んだ。今後もまたGK、そしてフィールドプレーヤーも含め、こうした競争であったり、序列というところではスカウティングを重ねて選手たちを評価して招集につなげたいと思う。菅原に関しても、まずはパフォーマンスがいいということ。直近の試合は後半終了間際でのプレーになったが、シーズンを通してチームが好調の中、レギュラーのポジションを掴み取って試合に出続けているということを評価して招集した。彼が成長しているところも見せてもらいながらという部分も評価しての招集になっている」

——今回は4試合あるが、4人のGKを均等に使うか。それとも競争させるのか。
「最終的にはまだ起用というところでは方針は決定していない。なので答えられない質問。ただ練習はしっかりと4人とも見ていきたいし、起用に関しては平等ではないことも出てくるかもしれない。練習次第で平等になるのか、そうではないのかが変わってくると思う」

——欧州視察で柴崎岳を見たか。また厳しいポジションの中で彼に期待することは。
「欧州視察で岳のプレーは直接見てはいない。横内(昭展)コーチがスペインに渡ってくれて試合を見ている。岳に期待することは彼は攻守に絡める選手なので、攻から守、守から攻につなげてくれるようにいろんな部分、多くの局面でプレーに絡んでほしいと思う。そしてW杯出場の経験を持っているし、世界で勝っていく基準を知っている選手。プレーでもって経験を発揮してほしい」

——柴崎岳の直近のプレーについてはどう評価しているか。
「非常に攻守にわたり、代表でも期待しているようなプレーをしてくれている。ここのところ怪我で退場があったり、万全な状態でないことも多かったと思うが、その痛みを抱えながらも気持ちもしっかり持ちながら、チームの中で自分がどういう役割を果たしたらいいのかを考えて、チームに欠かせないプレーを見せてくれている」

——堂安律に態度の問題があって戦力外通告を出したと噂が流れていた。和解して戻したのか、全くそういうことがなかったのか。
「事実ではないのでどう答えたらいいか……。事実ではない。あとこれは言えるが、皆さん自分が見ている中でいろんな選手を招集してほしいという基準を持っているが、毎回選手を選ぶ枠というものは決まっているので、必ず誰かを選んであげられるというのは全ての選手に保証できない。いい選手がたくさん日本の中にいるので、その時のコンディションや戦い方で選手が変わってくる。最終予選でも日本の選手層が厚いところは皆さんにも見ていただけたと思うし、そこは共有させてもらえるようにしたい」

——E-1選手権があるが、招集プランはどのように考えているか。
「国内組で日本代表チームを作って戦いに臨む」

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