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蘭1部練習参加の帝京長岡MF廣井蘭人は“らしいアシスト”。目標のゴールへ向けて前向きに「やっていくしかない」

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帝京長岡高のU-17日本代表MF廣井蘭人がDFに囲まれながらも左足を振り抜く

[5.21 高円宮杯プリンスリーグ北信越第8節 日本文理高 1-1 帝京長岡高 日本文理高G]

 帝京長岡高(新潟)のU-17日本代表MF廣井蘭人(3年=長岡JYFC出身)は、後半4分に右中間から斜めのループパスをPAへ通し、MF堀颯汰(2年)の先制点をアシスト。ゴールに近い位置でのテクニック、アイディアという“廣井蘭人らしさ”を表現したゴール前の崩しについて、「あそこなくしたら自分が出ている意味がないので」と振り返る。

 一方で、「大事なところでの得点は必要。それは去年実感した」と求めているゴールを決めることができず、満足感は無かった。ただし、立ち上がりに切り返しから左足を振り、こぼれ球にいち早く反応して右足一閃。37分にはペナルティーアークの狭い局面で前を向いて左足を振り抜いた。

 いずれもDFのシュートブロックやGKの好守に阻まれたが、「段々近づいていると自分に思い込ませてやっていくしかないですね」と前向き。また崩しのパスをカットされるシーンやミスもあったが、相手の厳しいチェックを幾度も剥がして前進するなどDFを翻弄し、ノールックのスルーパスを見せるなど随所で違いを示していた。

 4月下旬にオランダ1部の名門、フェイエノールトの育成組織へ3日間の練習参加。「迫力だったり、技術云々じゃないところを学びに行きましたし、学ばせてもらったので。そこは凄く良い経験になりました。(これまで強い海外志向はなかったが、)自分の得意なボールさばきの部分とか問題なく通用したので、楽しいところがあるのかなという気づきがありました」と振り返る。

 欧州の厳しく寄せてくるDFを経験しているだけに、この日は余裕のあるボールコントロール。注目の進路については「(大学含めて)さらに悩みました」と苦笑する。「プロになっただけというのは絶対に嫌」と語るレフティーは、現在の実力を冷静に分析し、将来を考えながら最善の決断をするつもりだ。

 まずは帝京長岡に恩返しすることに集中。「1年生から自分たちは3人出させてもらっている。信用して1年から使われることも簡単じゃないと思うので、その恩返しの気持ちや、OBたちの気持ちをピッチに出て一番近くで感じてきたので、そこをピッチで表現したいです。今回(の引き分けで)県大会が簡単じゃないぞと気付かされたので、足下救われないように一個一個階段を登っていきたいと思っています」と力を込めた。

 1年時に選手権3位、2年時に同16強を経験している廣井は、勝ち上がるためにチームのメンタルや一体感も必要であることを実感。その上で「最後は技術がモノを言うと思う」と語る廣井が、オランダで自信を深めた技術を最大限に表現して自身初となるインターハイのピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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