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[W杯予選]内田が“ラッキーな”代表初ゴール!日本がバーレーンに競り勝つ

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[6.22 10年W杯アジア3次予選グループ2第6節 日本 1-0 バーレーン 埼玉]

 W杯アジア3次予選突破をすでに決めている日本代表が、予選最終節でグループ2首位のバーレーンと対戦。グループ首位決戦を1-0で制し、逆転での首位通過を果たした。

 アウェーのバーレーン戦を0-1で落としている日本は4-4-2の布陣。GKは楢崎正剛(名古屋)で、4バックは右から内田篤人(鹿島)、中澤佑二(横浜FM)、田中マルクス闘莉王(浦和)、安田理大(G大阪)と並んだ。中盤は遠藤保仁(G大阪)と中村憲剛(川崎F)がダブルボランチを組み、右サイドに中村俊輔(セルティック)、左サイドに本田圭佑(VVV)が入り、前線は玉田圭司(名古屋)と佐藤寿人(広島)の2トップだった。累積警告の危険性があるMF長谷部誠(ボルフブルク)、松井大輔(サンテティエンヌ)、駒野友一(磐田)の3人は最終予選での戦いを考慮され、ベンチからも外れた。
 一方、日本と同じく最終予選への進出を決めているバーレーンは、FWフバイルやMFサルミーンら主力数人が不在。そのバーレーンを日本が立ち上がりから押し込んだ。
 前半5分、長いスルーパスに反応した佐藤がPA内で倒されPKを獲得。いきなりビッグチャンスを迎える。だが、中村俊の左足から放たれたシュートがGKに防がれると、この後日本は再三チャンスをつくりながら得点できないという歯がゆい時間を送ることとなる。
 14分には左サイドを抜け出した本田の折り返しが玉田の足元に入るが右足でのシュートはGKがキャッチ。28分には右サイドの内田からのアーリークロスがPA内でフリーで構える玉田に通るが、このチャンスもゴールネットを揺らすことができなかった。また45分には遠藤の右足FKがクロスバー直撃。だが跳ね返りに反応した本田はシュートミスをするなど、51,180人集まったサポーターを沸かせる場面こそ作ったものの、無得点のまま前半を折り返した。
 
 前半はミスが多く、カウンター攻撃を仕掛けるものの、ほとんどシュートにまで持ち込むことができなかったバーレーンだが、後半開始直後は日本守備陣を脅かす場面をつくる。7分にMFファウジ・ムバラクが強烈な左足ミドルを浴びせると、直後の8分には鋭い左クロスにFWイスマイールが体ごと飛び込んだ。だが、攻撃に人数をかけないバーレーンは日本の守備網を崩すことができず。対する日本は右の内田、左の安田の両SBが積極的な攻撃参加からサイドをえぐり、ゴール前にラストパスを送る。ただ、後半は相手を脅かすようなシュートを打つことが出来ない日本。全体的に運動量も少なくミスも多かった。MF山瀬功治(横浜FM)、FW巻誠一郎(千葉)とアタッカーを投入しても、1点を奪うことができない。
 それでも闘莉王を前線へ上げ、リスクを負って攻めた後半終了間際、日本はラッキーな形で決勝点を奪い取る。相手のクリアボールを前線へ上がった内田がPA外から頭で跳ね返す。このボールに巻が合わせようと走りこんだことで相手GKが判断ミス。高くバウンドしたボールがGKの頭上を越えてそのままゴールへと吸い込まれた。“偶然”ではあったが、劇的な決勝ゴール。内田の代表初ゴールで日本が1-0で勝った。

<写真>内田がゴール前へ送ったボールに走りこんだ巻がボールの行方を追う。ボールはこのままゴールネットを揺らし、決勝ゴールとなった
(取材・文 吉田太郎)

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