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川崎F、新戦力V・ジュニオール効果で浦和撃破(浦和vs川崎F)

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[7.21 J1第18節 浦和1-3川崎F 埼玉]

 川崎フロンターレが持ち前の攻撃サッカーで首位・浦和を3-1で撃破。17日の清水戦(2-1)に続き2連勝を飾った。
 前半7分、浦和FW高原直泰に先制点を許すが、前半27分、右CKのこぼれ球からMFヴィトール・ジュニオールが絶妙のクロスをゴール前に放り込み、DF伊藤宏樹が頭で合わせて同点に追いつくと、その後は川崎Fのペースで試合が進んだ。
 「堅守速攻。細かいパスを使って浦和ディフェンスをサイドから崩したかった」。そう語った高畠勉監督の狙いがはまったのは後半21分。CKのピンチからDF井川祐輔がドリブルで相手陣内まで持ち上がると、MF中村憲剛、FWジュニーニョとつなぎ、最後は途中出場のFW鄭大世が左足で押し込んだ。
 その2分後には前線のプレッシングから高い位置でボールを奪い、ショートカウンター。鄭大世のシュートがポストに当たったはね返りをジュニーニョがゴール前に折り返し、ヴィトール・ジュニオールが頭でゴールネットに叩き込んだ。
 切れ味鋭い堅守速攻。そのキーマンとなったのは、この日がJデビュー戦だった新外国人のヴィトール・ジュニオールだった。軽快なボールタッチとシンプルなパスで中盤と前線をつなぎ、チャンスを演出。自らもPA内に果敢に攻め込み、浦和ゴールを脅かした。
 1得点1アシストと衝撃のデビュー戦を飾ったヴィトール・ジュニオールについて高畠監督は「チームの戦術に彼のシンプルなプレーがマッチしているから、大一番で自信をもって起用した。期待通り」と満足気に語った。
 好連係を見せた中村も「今日のようなぶっつけ本番みたいな状況で、あそこまでチームで機能するとは本当に驚き。彼の加入でリーグ後半の戦いに期待できるよ」と素直に喜んだ。
 日本初の試合で十分なポテンシャルを見せつけたヴィトール・ジュニオール。試合後はあふれる意欲を語った。「川崎を優勝させるためにやってきた。チームの力になれて嬉しいし、まだまだ強くなる。川崎のファン、チームメイトに温かく迎えられて感謝している」。
 163cmの小柄な体で赤い巨人を脅かしたブラジル人アタッカー。今後さらにチームに溶け込み、連動性が高まれば、悲願の初優勝もグッと近づいてくるはずだ。

(取材・文 山口雄人)

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