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[SBSカップ]一定の力示した牧内ジャパン、だがアジア突破には「個」が必要

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[08.26 SBSカップ国際ユースサッカー第3日 U-19日本代表 3-2 静岡ユース エコパ]

 U-19日本代表はSBSカップ国際ユースサッカー大会の3試合でU-19アルゼンチン代表、U-19オーストラリア代表、静岡ユース(静岡県高校選抜)の3チームと対戦した。U-19オーストラリア代表とは0-0からのPK戦の末、5-4で勝利。アルゼンチン戦は0-3から2点を返して2-3で敗戦。静岡ユースとの最終戦は3-2で勝ったものの、一学年下の“格下”相手に最後まで苦しめられた。
 ほとんどの時間で相手が10人だったオーストラリア戦は常に主導権を握り、アルゼンチン戦では連続失点の後に怒涛の追撃を見せた。前に出るディフェンスがなく、攻撃面では運動量が少なく前線のサポートもないなど課題を露呈したU-19代表だが、どのチーム相手にも「勝つか、負けるか」という対等の試合ができる能力は示した。
 牧内辰也監督は昨年2月のチーム始動以来一貫して攻守にわたってのアグレッシブなスタイルのサッカーを言い続けてきた。GK権田修一(F東京)、MF山本康裕(磐田)やMF鈴木惇(福岡)といった継続的に起用されてきた選手を軸に、ベストメンバーが揃わなくてもどの相手とも一定のレベルの試合ができるようになっている。ただ、U-20W杯のアジア予選で戦う相手は開催国のサウジアラビアに加え、イラン、イエメンの中東の強豪3ヵ国。SBS杯のメンバーはライバルを上回るだけの力を備えていることは見せつけられなかった。彼らを上回るためには「個」のレベルアップが必要だ。
 ただでさえ、DF須崎恭平(磐田)、DF岡本知剛(広島)らケガのためにアジア予選出場が微妙な主力選手がいる。勝つためにはなりふり構っていられない状況にある。いい試合をするだけではなく、確実に相手を上回るためには現在以上の戦力を携えて予選に臨まなければ厳しい。特に攻撃陣は香川真司(C大阪)、MF金崎夢生(大分)の日本代表候補に加え、MF大竹洋平(F東京)、FW河野広貴(東京V)らアタッカーがJリーグで力を発揮。予選突破への「ジョーカー」はいるのだ。クラブの公式戦との兼ね合いがあることは確か。だが、それを許容することができるだけの余裕がU-19代表にないことも確かだ。Jリーグ発足以来、U-20W杯出場を逃したことのない日本。牙城を守られるかどうかは、誰もが納得するメンバーでサウジアラビアに乗りこめるかにかかっている。

<写真>U-19日本代表の牧内監督。アジアユースにはベストメンバーを組むことができるか?
(取材・文 吉田太郎)

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