beacon

4試合で3得点未勝利の名古屋、小川「相手の罠にはまっている」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[10.19 J1第29節 横浜FM0-0名古屋 日産ス]

 試合を終えた名古屋グランパスの選手たちはまるで敗者のようにうなだれていた。横浜FM相手に無得点のスコアレスドローに終わり、3試合連続の引き分け。4試合白星なし(3分1敗)となり、首位の鹿島に勝ち点2差を付けられた。シュート数はわずかに6本。18本放った横浜FMの3分の1にとどまった。決定機らしい決定機もない。この4試合でたったの3得点と、シーズンを佳境に迎え、深刻な得点力不足に悩まされている。

 MF小川佳純は「相手の守備の罠にはまったような攻撃をしている感じ。サイドバックからサイドハーフにボールが入ったときは周りに敵しかいなくて、相手の罠にかかっている状態だった」と苦々しい表情で振り返った。名古屋の特徴と言えば、ポゼッションからのサイド攻撃。それを横浜FMは高い位置からのプレスでボール回しを封じ、逆に窮屈なサイドに追い込んでボールを奪った。武器が一転、弱点になる。小川は「ワンパターンなサイド攻撃だと相手も考えている。工夫していかないといけないなと感じた。マリノスも(前節戦った)東京Vも、名古屋にはこうして守ればいい、こうすれば絶対に守れるというのがあった」と指摘した。相手に研究され、自分たちの良さを封じ込められた。その結果がシュート6本、無得点という屈辱だった。

 MFマギヌンが負傷離脱して以降の4試合で勝利がない。さらにこの日はMF中村直志も出場停止。中盤の核2枚を失い、攻撃のアイディアを欠いた。次節25日の磐田戦も中村は出場停止で、しかもDFバヤリッツァも警告が8枚累積し、次節以降2試合の出場停止となる。優勝争いの終盤で訪れた危機。小川は「もっと選手の中でどうしたらいいというのが出てきてもいい。監督の言うことを聞いているだけじゃなくて、どうすればいいのかピッチの中で考えないと。サッカーは型にはまったものじゃない」と言った。選手たち自身の手で、この難局を乗り越えるしかない。

(取材・文 西山紘平)

TOP