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[天皇杯]鹿島・内田との"同級生"対決で1得点、国士舘・天野「通用するところもあった」

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[11.2 天皇杯4回戦 鹿島2-2(PK3-0)国士舘大 カシマ]

 1-1の後半14分に一時は勝ち越しとなるゴールを決めた国士館大のDF天野恒太。常葉橘高(静岡)出身の左サイドバックの対面には、清水東高(静岡)の同学年で静岡県選抜でチームメイトだった日本代表DF内田篤人がいた。鹿島の攻撃の武器は右サイド。そこにふたを閉めたのが天野だった。「多少はこういうプレーをするだろうなというのはあった。知らない選手よりは対応しやすかったと思う」。選手入場時、内田の肩をポンとこずいた。試合後は「めんどくさかったよ」と笑顔で言われた。「ウッチー(内田)がスピードに乗ったときは止められなかった。でも通用するところもあった。攻撃に回ったときのドリブルとか、1対1のディフェンスの対応とかはできた」。内田のことを「全部が成長していた」と評したが、自分のプレーにも自信を深めた。内田との勝負では決して負けていなかった。それでも「プロは結果なんで。そこは自分の負けです」と潔かった。

 本職の守備だけでなく、チャンスと見るや積極的に攻め上がった。「多少リスクを冒さないと、チャンス、ゴールにはつながらない。受け身になると相手はガンガン来る。受け身にならずに自分たちのサッカーをやることを心がけた」。その思いが結果に結びついた。後半14分、右サイドをMF柏好文が突破すると、「パスが来ると信じて走った」と逆サイドから猛然と駆け上がった。マイナス気味の折り返しを左足ダイレクトで振り切る。「ミートすることだけを考えた」という強烈なシュートがニアサイドを破った。「勝ちたいとずっと思っていたし、点が入ったときは正直、勝てると思ったけど、そこまで甘くなかった」と苦笑いした。試合には負けても、得るものは大きかった。日本代表にまで成長した“同級生”との対戦が、将来のプロ入りを目指す天野にとっては貴重な財産になった。

<写真>後半14分、国士舘大・天野は勝ち越しゴールを決めた
(取材・文 西山紘平)

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