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劇的勝利のF東京・城福監督「ACLへの旗印はまだ下げていない」

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[11・30 J1第33節 F東京 1-0 新潟 味スタ]

 前節まで6位のFC東京がFW赤嶺真吾の「不敗弾」で来季のアジア・チャンピオンズリーグ出場に望みをつないだ。0-0で迎えた後半39分だ。同30分から途中出場していた赤嶺が、同じく途中出場のMF大竹洋平の左CKを頭で打ち抜く。すると、シュートは好守を連発していた新潟GK北野貴之の左横をすり抜け決勝ゴール。今季得点した試合は7勝2分で負けなしの男が、今季12得点目のゴールでチームを勝利へと導いた。
 「点取らなきゃいけないと思っていた。シュートを打つことを心がけていた」という赤嶺。引き分け以下では最終節で入れ替え戦圏16位に後退する可能性のある新潟の猛攻が前半から続いた。相手のシュート2本がゴールの枠を叩く。さらに決定的なシュートが何本もF東京ゴールを捉えた。それでも高い集中力でゴール前に立ちはだかるGK塩田仁史が、ピンチを何度も跳ね返し、赤嶺の決勝弾を呼び寄せた。

 勝ち点60の首位・鹿島はすでに来季のACL出場が決定。川崎Fが勝ち点57で、この日札幌に勝った名古屋も勝ち点を58へ伸ばしたため、勝ち点52のF東京は引き分けでもACL出場の可能性が消滅していた。負けられない戦い、押し込まれてのギリギリの戦いのなかで勝利をつかむために全員が必死だった。そして生まれた背番号24の決勝弾に今季2番目となる35,172人の観衆が沸いた。赤嶺も「入ってよかった」と喜んだ。
 試合後、ホーム最終戦セレモニーに臨んだ城福浩監督は「ACL、(天皇杯の)元旦国立、この旗印はまだ下げていない」と宣言。前日29日にリーグ優勝の可能性が途絶えたF東京だが、12月6日のリーグ千葉戦、そして8強へ進出している天皇杯が残っている。「365日成長すること」を掲げてスタートした今季の戦いは、11月末を迎えてもまだまだ終了していない。

<写真>ACL出場権や天皇杯タイトルなど、最後まで諦めず勝負強い采配をした城福浩監督

(取材・文 吉田太郎)

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