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[戦評]目指すものが「形」となって見えたテストマッチ

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[2.4 キリンチャレンジ杯 日本5-1フィンランド 国立]

田村修一の「視点」

 欧州組不在のトレーニングマッチとしては、収獲もあり、改善点も見えたゲームとなった。
 攻撃に関しては、収獲の多いテストマッチになったと思う。特にFW岡崎慎司やMF香川真司ら若い選手が伸び伸びと動き回り、縦へ飛びだしたり、ワンツーから攻撃の起点を作ってもいた。このチームが目指す「形」が見られたし、特に岡崎の2点目は良い形からのゴールだったと思う。しかし、やはり不安点も見えた。レベルが低いフィンランドを前に、岡田武史監督の目指すポゼッションサッカーの形を見せられたのは良かったが、果たしてこれがオーストラリアにも通用するのかというと疑問がわく。守備の甘かったフィンランド相手にテンポ良くパスを回して、そこから数々の得点をしてはいたが、次の戦いではパスや判断のスピードにしても、攻守切り替えのメリハリにしても、更に数段上げていかなければならない。ただ一つ言えることは、欧州組が合流する事で、メンバーも大きく変わるし、今日のサッカーとは異なるものになる。MF中村俊輔や松井大輔らが入る事で攻撃のパターンも増えるし形も変わるだろうから、今日の戦いぶりは一つの形として捉えておく必要がある。
 守備に関しても不安が残った。簡単にサイドを突破されている場面もあったし、CBの中澤佑二、田中マルクス闘莉王の高さ対策も十分でなかった。唯一の失点も、マークが外されていたこともあるが、GK都築龍太が高さで競り負けたこぼれ球からの失点。豪州は今日の相手並みに高いのだから、それを踏まえた上で本番に向けて短期間でどのように詰めていくのか。守備に関しては大きな宿題をもらったといえるだろう。
 ただ、やはり一つ心残りなのは、攻守に渡ってもう少しレベルの高い相手とテストマッチが出来ていれば、11日・豪州戦までの短い期間にやるべきことが更に明確になっていた点だ。

<写真>フィンランド戦に臨む日本代表
(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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