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[高校]後半逆転劇でF東京競り勝つ(F東京U-18vs.前橋育英高)

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[高校サッカー]

[4.5 プリンスリーグ関東1部第1節 F東京U-18 2-1 前橋育英高 東京ガス深川G]

 今秋の高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権の出場権7枠をかけたJFAプリンスリーグ(U-18)関東が開幕。1部第1節5試合が行われた。昨年優勝のFC東京U-18(東京)は同7位の前橋育英高(群馬)と対戦。前半21分に先制されたF東京だったが、後半にMF佐々木陽次(16)とMF山崎直之(17)がゴールを決め、2-1で逆転勝ちした。

 昨年の日本クラブユース選手権(U-18)チャンピオンでもあるF東京が白星発進した。同大会得点王のFW重松健太郎(17)を腸頸靱帯炎で、DF阿部巧(17)をU-18日本代表のUAE遠征で欠いたF東京だったが、前橋育英の山田耕介監督が「とにかくF東京のプレスが速かった」と舌を巻いた守りで主導権を握った。佐々木、MF年森勝哉(17)の両ボランチを中心としたF東京の素速い守備に戸惑っていた感のあった前橋育英だが10分、敵陣で相手DFにプレスをかけたFW粕川正樹(17)がボールを奪い、そのままポスト直撃の右足シュートを放つ。そして22分にはMF三浦雄介(17)からのくさびのパスをPAのFW皆川佑介(17)がダイレクトで左サイドに落とすと、粕川が左足を一閃。これがゴールへ突き刺さり、前橋育英が先制した。
 前半途中に4-4-2システムからFW三田尚央(17)を1トップ、突破力のあるFW山口潤(17)を左MFに配置する4-2-3-1へシステム変更したF東京はテンポの速いパスと山口の山崎の個人技から反撃。28分には山口が佐々木とのワンツーで左サイドを打開、37分には年森の強烈な左足ミドルを放つなど相手ゴールに迫った。

 この日、エース・FW西澤厚志(17)とMF中美慶哉(17)の主力2人が日本高校選抜の欧州遠征中のために不在だった前橋育英だが、U-17日本代表MF小島秀仁の展開力とスピードのある右SB木村高彰(17)と左SB田中雄一(17)のオーバーラップ、そして球際での厳しい守備で、リードしたまま後半を迎えた。だが9分、健闘していた守備の乱れから同点に追いつかれる。最終ライン裏のボールの処理に手間取った前橋育英に対して、F東京MF佐々木が右サイドから約40mのループシュートを決めて1-1。追いついたF東京はさらに16分、左サイドからドリブルで持ち込んだ山崎がそのまま右足でゴールを破り、勝ち越した。
 前橋育英は2失点目直前に投入していた188cmの長身FW小牟田洋佑(16)と185cmの10番・皆川にロングボールを集めてパワープレーから同点を狙った。ツインタワーが空中戦に競り勝つ場面もあったが、F東京守備陣は崩れず、1点を守りきった。
 F東京・倉又寿雄監督は「(前橋育英には)プーマカップで負けていたので、僅差の試合になるという覚悟をしていた。ボランチ2人(年森、佐々木)のところの勝負になると言っていた。個人の部分も含めてチームの総合的な力は昨年の方が良いと思う。ただ逆転で勝てたことは今年のチームも力をつけていると思う」。一方、得意のパスワークをわずかに披露しただけで敗れた前橋育英の山田監督は「(中盤での)潰しあいの試合になった。そこで形を作れず、ミスも多かった。ボランチのところにボールが集まらなかった。西澤と(中美)慶哉がいなかったことは痛かったが、それなりにできていた。パワープレーであの2人(皆川、小牟田)がやれたことも評価できると思う」と話した。ともにエースら主軸を欠いた中での試合は、1点差ゲームを5勝している昨年に続き勝負強さを発揮したF東京が競り勝った。

<写真>後半9分、MF佐々木(下)の同点ゴールを喜ぶF東京イレブン
(取材・文 吉田太郎)

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