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[大学]新生・流経大が連覇へ快勝発進

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[4.11 第83回関東大学サッカーリーグ1部リーグ第1節 流通経済大 4-0 東海大 西が丘]

 大学サッカー界最高のタレント軍団が4発スタートを切った。関東大学1部第1節で2部からの復帰組・東海大と戦った昨年王者・流通経済大は、MF金久保順(4年=水戸短大附高)の右足FKによるゴールなど4得点を奪い、4-0で勝った。
 
 関東リーグ、総理大臣杯全日本大学トーナメント、全日本大学選手権の3冠獲得を狙う流経大が好発進した。昨年のチームからアルビレックス新潟MF三門雄大、鹿島アントラーズDF宮崎智彦ら計13人がJ1、J2、そして韓国Kリーグへ昇格した流経大。戦力低下が懸念されたが、王者の強さは揺るがなかった。
 オシムジャパン候補選出歴を持つ守護神・林彰洋(4年=流通経済大柏高)に中盤のコントロールタワー・千明聖典(4年=流通経済大柏高)、FW船山貴之主将(4年=柏U-18)、10番の金久保という昨年からのレギュラー組に、系列校の流通経済大柏高(千葉)で全日本ユース選手権と全国高校選手権を制覇しているFW上條宏晃、DF比嘉祐介(ともに2年)やU-20日本代表候補に挙げられている大型DF山村和也(2年=国見高)といった実力者が加わった新生・流経大はそのポテンシャルをピッチの上で十分に見せつけた。

 序盤から完全にボールを支配した流経大は、東海大にシュートチャンスを与えずに攻め続けた。そして19分に金久保が直接FKを右足でねじ込み先制。さらに33分にはオーバーラップした右SB石川大徳(4年=流通経済大柏高)のクロスからポストに入った船山が後方へボールを落とすと千明が左足で決め2-0。37分には左サイドからドリブルで切れ込んだMF宇賀神友弥(4年=浦和ユース)が右足シュートを決めてリードを3点へ広げた。
 主将で守護神の大黒柱・GK石井健太(4年=東海大翔洋高)が、昨年11月に負ったアキレス腱断裂の影響で不在の東海大は劣性に。中盤中央から両ワイドへ好パスを送っていた全日本大学選抜MF岩上祐三(2年=前橋商高)を起点にスピード抜群のFW笹島大(2年=明秀学園日立高)らがゴールを目指したが、流経大ゴールを脅かすには至らない。自陣からボールを回す流経大のミスに乗じてカウンターを繰り出す場面こそあったが、それでもシュートはわずか2本に終わり、この試合に関しては流経大の完勝だった。

 流経大は後半10分に最終ラインの山村が自ら右サイドを駆け上がりそのまま右クロス。これをMF柳明基(4年=横浜FMユース)が決めてリードを4点にすると、その後もダイレクト、2タッチのパス交換。中央、サイドから次々と攻撃を仕掛けていった。
 タレント軍団が示した快勝劇。だが試合終盤、パスの正確性を欠いたことで追加点を奪えなかったことについて中野雄二監督は「『4-0だからいいじゃない』じゃなく、スコアで自分たちの力を示さないといけない。相手は2部から1部に上がってきたということで(1部は)違うというところを示さなければいけなかった。余裕を持ってプレーしていたかもしれないが、そこでできないということは甘い」と厳しかった。
 チームの今年の目標は3冠獲得。プロ13人を生みだし、関東リーグを制した昨年でさえ、全国大会を勝ち抜くことはできなかった。その昨年以上の成績、タイトル全て獲るということが選手たちの目標だ。林は「自分はチームに貢献する=失点しないこと、だと思う。勝ち続けること」ときっぱり。高校で2冠を獲っている上條は「高校で優勝したのは過去。みんな大学に上がって個人個人の役割がある。そこでチームとともにレベルアップしたい」。昨年は16勝4分2敗で関東制覇したが、今年はまた新しいチームでの挑戦となる。新生・流経大は強くなるため、強さを見せつけるために課題をひとつずつクリアしていく。

<写真>前半19分、金久保(左)のゴールを喜ぶ流通経済大イレブン

(取材・文 吉田太郎)

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