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[大学]船山劇的V弾!流経大“首位決戦”制す(流通経済大vs慶應義塾大)

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[4.17 第83回関東大学サッカーリーグ1部リーグ第2節 流通経済大 2-1 慶應義塾大 三ツ沢陸上]

 流経大が劇的な逆転勝利! 初戦をともに4-0で制している流通経済大と慶應義塾大の“首位決戦”は、1-1の後半44分にFW船山貴之主将(4年=柏U-18)が劇的な決勝ゴールを決め、流経大が2-1で勝利。2連勝とした。<出場メンバー>

 誰もの頭に「ドロー決着」がよぎっていた後半44分、MF金久保順(4年=水戸短大附高)からのパスを左サイドで受けた船山が、右足コントロールショットを放つ。一瞬の静寂の後、会場に響き渡ったのは流経大イレブンの歓喜の雄たけび。主将の右足から放たれた一撃は鋭い弧を描き、鮮やかにゴール右隅へと吸い込まれた。
 流経大・中野雄二監督は「(船山は前半決定機を逃していたが)最後の最後で決めてくれた」とほっとした表情。だが、「慶應さんが勝つべき試合だった。今日は引き分けても、負けてもしょうがないと思った」と苦戦を振り返った。
 試合は前半、2部からの昇格組・慶大が昨年王者・流経大から完全に主導権を奪っていた。大学ナンバー1の司令塔・MF中町公祐(4年=高崎高)、MF織茂敦(4年=國學院久我山高)を中心とした中盤が1タッチ、2タッチで素早くボールを動かし、流経大陣内へ次々と入り込んでいく。そして24分にはMF河井陽介(2年=藤枝東高)の右FKをファーサイドの中町が頭で折り返し、最後はFW甲斐悠佑(4年=慶應義塾湘南藤沢高)が頭でゴールへ押し込んだ。

 金久保中心に反撃を試みた流経大だったが、展開は完全に劣勢。ボールをテンポよく回す慶大を前に苦しい時間が続いた。それでもメンバー交代ではなく、右SBの石川大徳を右SHへ上げるなど選手の配置を変えることで流れを変えた流経大。後半開始直後の決定機を立て続けに外し、雰囲気が重くなってきた慶大からU-20日本代表DFが同点ゴールを奪う。後半13分、前線へ上がっていたDF山村和也(2年=国見高)が右足ミドルをねじ込み1-1。追いつかれてからやや攻撃が大味になった慶大に対し、中盤中央で存在感を見せるMF柳明基(4年=横浜FMユース)を中心に畳掛けて逆転を狙った流経大は、終了間際に決勝点。接戦を次々とものにして優勝した昨年のチームのような勝負強さを発揮し、勝ち点3をもぎ取った。
 慶大・中町は「これまで(2部時代)はこういう展開でも負けることがなかった。(決定力の面など)突き詰めていかないと」と反省。一方の流経大・中野監督も「前半ははっきり言って赤点の内容。(苦しくても)ゲームを動かす力をもたないといけない」。雨中の好ゲームを演じた両チームだったが、全国・タイトルをはっきりと見据えて戦っているだけに、試合後はともに「次」への反省を繰り返していた。

<出場メンバー>
[流通経済大]
GK
林彰洋(4年=流通経済大柏高)
DF
石川大徳(4年=流通経済大柏高)
山村和也(2年=国見高)
及川準(4年=利府高)
比嘉祐介(2年=流通経済大柏高)
MF
金久保順(4年=水戸短大附高)
89分→天野健太(2年=流通経済大柏高)
千明聖典(4年=流通経済大柏高)
81分→武藤雄樹(3年=武相高)
柳明基(4年=横浜FMユース)
宇賀神友弥(4年=浦和ユース)
FW
船山貴之(4年=柏U-18)
上條宏晃(2年=流通経済大柏高)
75分→張志旭(4年=流通経済大柏高)

[慶應義塾大]
GK
中川翔太(2年=國學院久我山高)
DF
黄大城(2年=桐生一高)
笠松亮太(2年=東京Vユース)
三上佳貴(3年=藤枝東高)
田中奏一(2年=F東京U-18)
MF
織茂敦(4年=國學院久我山高)
中町公祐(4年=高崎高)
深澤良(3年=清水東高)
63分→大塚尚毅(2年=滝川二高)
河井陽介(2年=藤枝東高)
中川靖章(4年=静岡高)
FW
甲斐悠佑(4年=慶應義塾湘南藤沢高)
83分→大森純希(3年=都・駒場高)

<写真>決勝弾を決めた船山中心に喜ぶ流通経済大イレブン
(取材・文 吉田太郎)

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