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[大学MOM_19]筑波大DF作田裕次(4年)_3連続完封導く

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.9 関東大学サッカー1部第6節 筑波大 0-0 慶應義塾大 西が丘]

 筑波大は3試合連続、今季4回目の無失点。その中心にいたのはやはり“筑波の壁”DF作田裕次(4年=星稜高)だった。ショートパスをつないでサイドから崩しにかかる慶應義塾大にシュート17本を浴びたが、最後の局面では体をぶつけて相手にいい体勢でのシュート打たせなかった。182cm、79kgのDFリーダーは「クロスのところとか、最後の部分でもっと行けたと思うし、満足していない」と厳しかったが「(後半だけでシュート11本放たれるなど)苦しい時間を乗り切ったのは大きい」と前向きに話した。

 今季リーグ最多の15得点をマークしている得点力の高い慶大相手だったが、「恐くはなかった。出るところは10番(中町)とはっきりしていたし」と振り返る。攻撃でボールをつなぐことができず、苦戦したこの試合。だがチーム全体的に慌てたボール回しを行っている中、作田はしっかりとボールをキープし攻撃をスタートさせた。相手のプレッシャーに詰め寄られても慌てるそぶりを見せず。強さ、高さを武器とするDF面だけでなく、足元の質の高さも印象付けた。

 DF陣の奮闘が今季の筑波大勝利に不可欠となっている。全日本大学選手権で準優勝した昨シーズンの筑波大は得点も多いが失点も少なくなかった。逆に今季は今のところ得点数が伸びないが、作田やGK碓井健平(4年=藤枝東高)ら守備陣がチームを支え、上位争いに食らいついている。MF大塚翔太主将(4年=大津高)は「チームがブレない強みはサク(作田)中心に後ろが耐えているから。特にサクの存在はチームにとって大きい」と讃えていた。勝ちきれなかったチームに対し、作田は「目指しているものはまだまだ。詰めていかないといけない。相手云々ではなく自分たちのサッカーをしなければならない」。
 自陣から徹底してボールを回す筑波大の攻撃は個々の部分で課題が山積み。チームが理想の攻撃を繰り出せるようになるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。作田は自らを中心とした守備でチームに勝ち点もたらし、攻撃が爆発する時を待つ。

(取材・文 吉田太郎)

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