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ゴールラッシュの火付け役、2得点の岡崎「存在アピールできた」

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[5.27 キリン杯 日本4-0チリ 長居]

 FW岡崎慎司(清水)がゴールラッシュに火を付けた。先発の位置は4-2-3-1の左MF。だが、ポジションにとらわれない流動的な動きで相手を撹乱し、積極的にDFラインの背後のスペースを狙った。

 「清水で左サイドをやっていても、右サイドに流れたりしている。サイドをやっていても、自分の得意な形が出せるのはいいこと」。そう胸を張った岡崎の良さが凝縮された2得点だった。

 前半20分、前線でMF中村憲剛のロングフィードを呼び込み、胸トラップからボールキープ。フォローに入ったMF本田圭佑に落とすと、素早くゴール前に詰めた。「こぼれ球を狙っていた。(本田)圭佑のシュートだったから、こぼれてくると思っていた」。本田の強烈な左足ミドルをGKが前にこぼしたボールを右足で押し込み、狙い通りの先制点を奪った。

 そのわずか4分後、カウンターからMF長谷部誠が右サイドに展開すると、スペースに飛び出していたDF中澤佑二がGKとDFラインの間に低いクロスを送る。「(中澤)佑二さんがトラップした瞬間に飛び出そうと思った。自分のことを相手も見ていなかったし、後ろから走り込んだら上手くトラップできた」。正確なトラップでDFの届かない位置にボールを運び、冷静に右足でゴールに流し込んだ。

 2月4日のフィンランド戦(5-1)に続く1試合2得点。国際Aマッチ10試合目の出場で、通算得点も5に伸ばした。「結果を出せて自信になった。味方にも自分の存在をアピールできたと思う」。MF中村俊輔やFW大久保嘉人、MF松井大輔らが入ってくれば、先発の座は危ういものになる。だが、豊富な運動量とスペースへの飛び出し、ゴールへの嗅覚という他の選手にはない岡崎らしさは、確実に日本代表の大きな力になってきている。

<写真>日本FW岡崎
(取材・文 西山紘平)

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