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代表初ゴールの本田、「あれは決めないと話にならない」

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[5.27 キリン杯 日本4-0チリ 長居]

 日本代表MF本田圭佑(VVV)が国際Aマッチ3試合目の出場で、待望の初ゴールを決めた。後半ロスタイム、GKからのキックをMF香川真司、FW矢野貴章、MF山田直輝とつなぐと、右サイドにフリーで走り込んだ本田に山田から丁寧なラストパスが届いた。「完璧なボールが(山田)直輝から来た。あれは決めないと、話にならない」。左足ダイレクトでゴール左上に流し込むダメ押し弾。自身にとってもうれしい代表初ゴールにアシストの山田と抱き合って喜びを分かち合った。

 昨年6月22日のW杯アジア3次予選・バーレーン戦(1-0)に先発で代表デビュー。今年1月28日のアジア杯予選・バーレーン戦(0-1)にも先発したが、これまでの2試合は気合いが空回り気味だった。

 この日もボールを持ち過ぎる傾向はあったものの、それが相手のマークを引き付け、スペースもつくっていた。あの中田英寿をも彷彿とさせる強靭なフィジカルを生かした力強いドリブルとボールキープはほとんど相手にボールを奪われなかった。パサーが多いチームの中で、本田の存在は良いアクセントになっていた。

 「個人の打開が少ないのは、このチームの課題。早くパスを選択し過ぎて、失うこともある。それが、このチームの良さだけど、あまりにも個人の打開がないから俺がその役目を負った。コンビネーションはVVVより面白いけど、個人がもっとトライしないと始まらない。リスクを負う選手がいないので、状況を打開できる場面がなかなかない。もう少し個人技が1つ2つ出てくると、攻撃が多彩になるし、もっと強いチームになると思う」。本田は自信たっぷりに持論を展開した。

 その言動やプレースタイルなどから批判を浴びることも多い。「みんな(マスコミ)に散々、書かれていたので、そろそろ見返さないとなと思っていた」。そうニヤリと笑った本田は「オランダでも1点目を取るまでは時間がかかったけど、1点取ってからはリラックスしてできるようになったからね」。オランダ2部とはいえ、36試合で16ゴールを叩き出した得点力。その本領発揮はこれからだと言わんばかりだった。

<写真>日本MF本田
(取材・文 西山紘平)

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