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自信の岡田監督、ウズベクメディアの挑発にも余裕の対応

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 日本代表の岡田武史監督が5日、6日のW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦に向けタシケント市内のホテルで公式会見に臨み、揺るぎない自信を漂わせた。

 「本当に順調に来れた。やるべきことはすべてできたし、あしたの試合では選手の持てる力をすべて出して、勝つために自分たちのサッカーを見せたい」

 就任から1年半。自分のコンセプトが選手に浸透し、チームが着実に成長してきたことに確固たる手応えがある。

 「毎回、毎回チャレンジして、そこからステップアップするというのを繰り返している。勝った、負けた、4点入った、引き分けた。結果はいろいろあるし、小さなステップのときもあれば、進歩してないときもあった。だが、進歩しないときがあったから、次の進歩があったと思うし、ステップバイステップで、少しずつだが、進歩してきた」

 記者会見にはウズベキスタンの報道陣も詰めかけ、岡田監督に挑発的な質問も浴びせた。それでも平然と、笑みを浮かべながら受け答えした。

―あすの試合でもし負けたら、今後の岡田監督の仕事はどうなるのか?
「それは僕が決めることじゃない。会長があした来られるので、会長が判断すると思う」

―去年の秋の対戦では日本のホームで引き分けたが、そのときの日本メディアの評価はどうだったのか?
「おそらくですが、クビにしろとか、そんなだったと思う。でも僕は試合内容自体は全然悪くないと思っていた。周りの雰囲気はおそらくそうだったと思うけど、ここにたくさん(日本メディアが)いるので、あとで聞いてみてください」

 あと1勝で、4大会連続4度目のW杯出場が決まる。岡田監督にとっては97年のジョホールバルの歓喜で日本を初のW杯に導いたのに続き、2度目の予選突破を果たす史上初の監督になる。

 「12年前のことはよく覚えていない。今とはだいぶ違うだろうけど、ジョホールバルのときと比べてどうかと言われても、今は答えようがない。それはあとで聞いてもらえれば」

 予選途中での監督交代。プレーオフに回ってのイランとの決戦。追い込まれ、追い詰められ、死に物狂いでW杯への切符をつかんだ12年前とはまったく状況が違う。今の岡田監督にはいい意味での余裕がある。

 もちろん、油断はしていない。「残り3試合のうちどっかで勝てばいいと思っていたら痛い目に遭う。W杯出場権を取ることではなく、ウズベキスタンに勝つために自分たちのサッカーをすることに集中するべき。あしたの試合で自分たちのサッカーができるかどうか。それができれば試合に勝って、そうすればW杯出場権を得られる」。今は目の前の試合に集中するだけ。W杯のことはウズベク戦が終わってから考えればいい。

<写真>記者会見では余裕の笑みも浮かべた岡田武史監督

(取材・文 西山紘平)

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