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本田が“FK戦争”の内幕を吐露。「“オレが蹴る”と5、6回は言った」

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Text alert@オランダ・デルッテ

オランダ戦の後半18分、ゴール正面右の位置で日本が得た直接FKの場面。中村俊輔(エスパニョール)と、誰が蹴るかの“つばぜり合い”を演じた本田圭佑(VVVフェンロ)が、試合から一夜明けた6日の練習後、試合のピッチ上での2人の丁々発止のやりとりを明かした。

「僕ももちろん主張したけど、俊さんのほうが実績がありますし、単純に俊さんが“オレが蹴りたい”ということだったというそれだけです。でも、チームにはいろいろあるじゃないですか。ということはオレもその場でバランスを見たということですよ」

オランダ戦終了直後は放心状態で言葉も少なかった本田だが、一夜明けた6日は従来の本田らしい威勢の良さが復活していた。

「オレが俊さんをリスペクトした部分はしっかりある。無視してオレが蹴ることもできたけどやらなかったですから。もちろん、自信はありましたよ。5、6回は“オレが蹴る”と言いましたしね。でも、オレが俊さんの立場なら譲らないし、あそこで譲っていたら問題だと思う。オレはVVVでは譲らないからね」

本田の元気の源は、この日の練習前のミーティングで岡田監督が話したことが、もともと自分の中にあった考えと合致していたからだという。

「パスが来ないのは、これがオレの実力だと自覚しないといけない。チームの決めごとであるDFで前からいくというやり方も岡田さんが言っている通り、最低限のことはしないといけない。そこは真摯に受け止めないといけない」

こうやって殊勝な言葉を連発した本田。日本にとって貴重な才能である23歳が、敗戦のショックで自信を失うかもしれないという危惧はとりあえず避けられたようだ。
(取材・文・矢内由美子)

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