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[ACL]開始7分で退場…10人の名古屋は6失点惨敗

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[10.21 ACL準決勝第1戦 アルイテハド6-2名古屋 ジェッダ]

 ACL準決勝は21日、第1戦を行い、名古屋グランパスはアウェーでアルイテハド(サウジアラビア)と対戦。前半7分にDF竹内彬が一発退場となり、残り時間、10人での戦いを強いられると、後半に守備が崩れ、2-6の惨敗を喫した。28日のホームでの第2戦は最低でも4点差以上での勝利が求められ、11月7日の決勝進出、日本勢3連覇の夢も極めて厳しくなった。

 開始7分の退場劇がすべてを狂わせた。最終ラインの裏に抜け出したチュニジア代表FWアミン・シェルミティを竹内が後方から倒してしまい、一発退場。PA外側だったが、決定機阻止として主審にレッドカードを突き付けられた。

 ストイコビッチ監督は左サイドバックのDF阿部翔平をセンターバックに回し、MF小川佳純を左サイドバックに下げる緊急布陣で対応。すると前半15分、右サイドを突破したDF田中隼磨の狙いすましたクロスにFWケネディが得意のヘディングシュートを叩き込み、先制に成功した。

 前半26分にはPA付近でのクリアミスから最後はMFハディドに決められ、同点に追い付かれたが、同34分、自陣からの阿部のFKをケネディが頭でそらすと、PA内に走り込んだMF中村直志がDFを背負いながら鋭く反転し、左足で再び勝ち越しゴールを奪った。

 劣勢の名古屋だったが、数少ないチャンスを確実にものにし、前半は2-1。理想的な試合運びで前半を折り返した。

 ハーフタイムにはMFブルザノビッチに代えてDF佐藤将也を投入。5バックに近い3バックに変更し、守りを固めたはずだったが、数的不利による防戦一方の展開が続くと、サイドを何度となく崩され、守備陣が耐え切れなくなった。

 GK広野耕一の好セーブやDF陣の粘り強い守りもあり、後半14分には決定的なシュートがポストに救われるなど何とかしのいでいたが、後半21分、左サイドを崩されると、逆サイドへのクロスをシェルミティが折り返し、サウジアラビア代表MFモハメド・ヌールが頭で押し込んで2-2の同点。このとき守備陣は棒立ちで、PA内にもかかわらず、シェルミティもヌールも完全にフリーの状態だった。

 待望の同点ゴールにアルイテハドは勢い付く。後半32分、PA内からのシュートをいったんは阿部が体でブロックしたが、こぼれ球をクリアしようとした小川のキックが弱くなり、ボールはヌールの目の前へ。これをヌールが豪快にゴールネットに突き刺し、ついにアルイテハドが逆転した。

 直後の後半33分、名古屋はケネディに代えてFW玉田圭司を投入。6日の香港戦で左肋軟骨を骨折し、離脱していたエースの強行出場で流れを変えたかったが、さらなる追加点を狙って襲いかかってくるアルイテハドの勢いを止められなかった。

 後半37分には広野がPA内でFWルチアーノを倒したとしてPKを献上。これをルチアーノがきっちりゴール右隅に決め、4-2とリードを広げた。さらに後半46分、シェルミティの左クロスをヌールが倒れ込みながら右足ボレー。左ポストに直撃したボールは真っ直ぐヌールの方に跳ね返ると、ヌールは倒れたまま頭で押し込み、ハットトリックを達成した。同48分にもスルーパスに抜け出したシェルミティがGK広野もかわして無人のゴールにシュート。6-2とゴールラッシュを締めくくった。

 アウェーゴール2発もかすむ6失点の惨敗。決勝進出のためには、28日の第2戦で4-0か5-1での4点差勝利(6-2なら延長戦)、あるいは5点差以上での勝利が求められる結果となり、ストイコビッチ監督も「重い結果」と表情を険しくするしかなかった。

(文 西山紘平)

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