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[U-17W杯]“プラチナ世代”は3連敗終戦・・・

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[10.30 U-17W杯GL最終戦 日本 0-2 メキシコ]

 U-17日本代表は3連敗敗退―。U-17W杯2009ナイジェリア大会グループリーグ最終戦で日本は、ここまで1勝1敗のメキシコと対戦。再三のチャンスをつくり出した日本だったが後半の2失点により0-2で敗れ、グループリーグ敗退が決まった。

 3-4で敗れたスイス戦から先発3人を入れ替えた日本。4-4-2システムのGKは今大会初出場の渡辺泰広(新潟ユース)で、CBにも同じく初出場の高野光司(東京Vユース)が内田達也(G大阪ユース)とコンビを組んだ。これまでCBだった岡本拓也(浦和ユース)が左SBへ移り、右SBは松原健(大分U-18)。4枚の中盤は柴崎岳(青森山田高)と小島秀仁(前橋育英高)をダブルボランチに右が堀米勇輝(甲府ユース)、左に高木善朗(東京Vユース)。縦の関係の2トップは初戦2ゴールの宮吉拓実(京都)に代わって先発した杉本健勇(C大阪U-18)の下に宇佐美貴史(G大阪)がポジションをとった。

 決勝トーナメントへ進出するためには勝つしかない日本。試合開始わずか45秒で岡本が右足ミドルを放つなど、逆転でのGL突破へ積極的な姿勢を見せる。それでも序盤チャンスをつくったのはメキシコだった。SBイバニェスとSHコロナドが右サイドからチャンスをつくり、7分には右クロスをパチューカ所属のFWマノンがヘディングシュート。22分には左SHカンポスの鮮やかな左足ループがゴールを捉える。だが渡辺が後退しながら右手ではじき出すと、守護神はその後に再び訪れたカンポスの左足シュートを再び抑えるなどチームに勇気と安定をもたらした。

 また岡本が敵陣でインターセプトを連発するなど徐々にペースをつかんだ日本は、25分に柴崎のチャンスメークから左サイドの高木がシュート。直後の26分には相手のマークを外した宇佐美の右足コントロールショットがクロスバーをかすめた。ただ、30分の宇佐美の強烈な右足ミドルや堀米の左足ミドルなど遠目からのシュートは放つものの、なかなかPAへのパスを通せない。35分に宇佐美の展開から松原が上げた右クロスに堀米が飛び込んだ場面以外は、タイトなメキシコ守備陣から決定機をつくれないまま前半を終えてしまった。

 同時刻キックオフのグループ首位・スイス(2勝)対ブラジル(1勝1敗)でスイスがリードしていたため、勝てばグループ2位が見えてくる日本は、後半開始直後ラッシュをかけた。まず左サイドへ開いた宇佐美のパスから柴崎が鋭くPAへ進入。GKとの1対1をストップされたものの、まず機先を制すると4分には柴崎に代えて快足FW宮市亮(中京大中京高)をピッチへと送り出す。司令塔を下げて宮市を左サイドへ置き、高木を中央へ移動させて勝負に出た日本は6分、中央の堀米のスルーパスに宇佐美が反応。絶妙なトラップから右足を振りぬく。だが、このシュートはクロスバーを直撃。宇佐美は9分に杉本のポストプレーから再び1対1を迎えるも、このシュートはGKに防がれ、こぼれ球に反応した杉本のシュートもゴールを破ることができない。

 12分には相手のパスミスをPA左サイドで奪った宮市が中央へラストパスを送るが、走りこんだ宇佐美はわずかに届かず。杉本に代えて宮吉を投入した後の、19分の宇佐美の決定的シュートも相手GKロドリゲスのビッグセーブに阻まれた。そして再三ビッグチャンスを逃し続けた日本に対し、したたかな元世界王者・メキシコは一瞬の隙を逃さなかった。20分、右サイドから中央へ入りこんできたイバニェスからのパスを左サイドで受けたカンポスが、マークを受けながらも放った左足シュートでGK渡辺の頭上を射抜く。攻め続けている中での痛すぎる失点で日本は窮地に追い込まれた。

 中盤、最終ラインの粘り強い守りから同点に追いつこうとする日本は、28分にもスルーパスでPAへ進入した宇佐美のシュートが右ポストのわずか右へ外れ、得点することができない。そして堀米に代えてMF小川慶治朗(神戸ユース)を投入した直後の34分、FKから途中出場のMFパッラにゴールを破られ、致命的な2失点目。その後、小川が反転からシュートへ持ち込むなど何とかゴールを奪おうとした日本だったが無得点のまま無常にも時間は過ぎていく。そして、約3分半のロスタイムの後に鳴り響いた試合終了の笛とともに、“プラチナ世代”のナイジェリアでの戦いが終わった。

<写真>ボランチでチームを支えた小島がメキシコ選手を激しくマーク


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試合後コメント選手 監督

U-17W杯2009
(文 吉田太郎)

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