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[U-17W杯]宇佐美は無念の3戦ノーゴール

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[10.30 U-17W杯GL最終戦 日本 0-2 メキシコ]

 エースの右足はナイジェリアの地でゴールを生み出すことができなかった。

 “プラチナ世代”“ゴールデンエイジ”とも呼ばれた今回のU-17日本代表の代表格、FW宇佐美貴史(G大阪)はこの日も日本の攻撃の中心だった。世界を相手にも十分通用したキープ力にラストパスなどの攻撃センス。すでにAFCチャンピオンズリーグでゴールも奪っている17歳のアタッカーは何度も局面を打開するプレーを見せた。だが、何より期待されていたゴールは、勝てば決勝トーナメント進出の可能性が出てくるグループリーグ最終戦でも奪うことができなかった。
 
 チャンスはあった。まずは前半26分、MF高木善朗(東京Vユース)からのパスを受けると相手のマークを外し、右足コントロールショット。だがこのシュートがクロスバーのわずか上方へと外れると、今大会の人工芝のピッチに思うようなシュートが打てないのか、リズムに乗ることができない宇佐美は30分の右足ミドルも枠を捉えることができない。

 より前への姿勢を強めた後半には、チームメイトからの絶好のパスが届く。6分、センターサークル付近でインターセプトしたMF堀米勇輝(甲府ユース)からのスルーパス。宇佐美は絶妙なトラップから右足を振りぬくが、シュートは乾いた音ともにクロスバーに弾かれた。9分にもFW杉本健勇のポストプレーから再びGKとの1対1を迎えるも、このシュートはGKに防がれてしまう。

 1月のコパ・チーバスではU-17ブラジル代表戦で2ゴールを決めるなど5試合7得点。8月のビジャレアル国際ユース大会(スペイン)では4試合3得点でいずれも得点王に輝いてきた。国際試合ではほぼ1試合1得点のハイペースでゴールを重ねてきた男の、チームを救うゴールへの期待は大きかった。

 長い距離を走ってゴール前に飛び込むなど、懸念された運動量の不安を吹き飛ばし、ゴールへと迫る宇佐美。だが、この後に訪れた1対1やフリーでゴール前に飛びこんだビッグチャンスもシュートはGKロドリゲスやメキシコ守備陣に次々と跳ね返され、チームは0-2で敗戦。大会前「ピッチの中でも外でもチームを引っ張って頑張ります!」(G大阪公式サイトより)と意気込んでいた注目の逸材の世界挑戦はノーゴール、未勝利で終わってしまった。

<写真>巧みなトラップを見せる宇佐美。この日も決定的な場面はあったがなかなかシュートが枠をとらえられなかった


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U-17W杯2009
(文 吉田太郎)

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