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[高校選手権]新島学園、38年ぶり全国へ王手:群馬

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[11.28 全国高校選手権群馬県大会準決勝 共愛学園 0-0(PK4-5)新島学園]

 全国高校サッカー選手権群馬県大会準決勝、共愛学園対新島学園は0-0からのPK戦の末、5-4で新島学園が勝利。12月5日に全国総体王者・前橋育英と戦う決勝へ駒を進めた。

 共愛学園の6人目のキッカーの放ったボールが、バーを越えていった瞬間、ベンチは優勝したかのような喜びを見せ、選手たちは体いっぱいに喜びを爆発させた。名門が長い眠りから解き放たれた。
新島学園といえば、かつては群馬のサッカーシーンをリードした存在。1966年には全国大会でベスト4へ進出していた。
 しかし、それ以降は前橋工が台頭し、さらに前橋商と前橋育英の台頭で、県内のサッカーシーンの頂点から徐々に遠ざかり、近年は功名一時の状態になってしまっていた。しかし、今大会では快進撃を続け、準々決勝では桐生一を下し、準決勝まで勝ちあがってきた。

 前半は相手の勢いに出足が遅れ、ファールを重ねてリズムを失ったが、0-0で凌ぎきると、後半は徐々にペースは新島学園に。MF蜂須賀拓人、ボランチの太田光洋らが果敢に縦に仕掛け、スピードある攻撃に攻勢に出る。だが、決定打を打てないで居ると、試合終了間際には共愛学園の反撃に合う。
 延長戦に入っても、双方がチャンスを作るが決めきれず、試合は両校無得点のままPK戦に突入する。その末に新島学園は共愛学園をPKで振り切り、悲願の決勝進出を果たした。「選手たちは『よくやった』という言葉では足りないくらい頑張ってくれた」。新島学園の内藤秀和監督は涙を浮かべ、選手たちをねぎらった。
 次なる相手は全国チャンピオン・前橋育英。「100%負けることはない。可能性はある」と内藤監督が語ったように、眠りから覚めたかつての名門の本当の復活はこれからだ。

(取材・文 安藤隆人)

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