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[高校MOM127]柏U-18MF茨田陽生(3年)_違い生んだ判断と技術

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.12 Jユースカップ2回戦 柏U-18 2-1 大宮ユース NACK]

 存在感は絶大だった。前半は右MF、後半はボランチでプレーした柏レイソルU-18のU-18日本代表MF茨田陽生。本来のポジションではない右サイドからの飛び出しで先制ゴールを決め、得意のボランチでは絶妙なラストパスで決勝点をアシストした。

 ともにゴールをもたらしたのは「相手は斜めのボールに対応できていなかった」と話すダイアゴナル・ラン、斜めに走りこむプレーへの意識だった。前半20分の先制ゴールは右サイドからわずかに空いたゴール正面のスペースへ侵入。左SB橋本健太の好パスを引き出し、左足でゴールを破った。そして2点目は左サイドからギャップをついてゴール前へ侵入したMF熊谷達也を見逃さず、DFの頭上を越すループパス。「(受け手の)熊谷クンがうまくやってくれた」と謙遜したが、FW山嵜駿の決勝ゴールをもたらしたのは茨田の的確な判断と高精度のパスにあった。

 慣れない右サイドのプレーの理想は優勝争いを演じていた清水を5-0で打ち砕いた柏vs清水戦(11月8日)の柏MF杉山浩太のプレーだった。本来ボランチながらも右MFを務め、抜群のキープ力と展開力、決定的な飛び出しを魅せた杉山。この日、茨田は前半から「参考にしていた」選手のプレーをそのまま実践する。ライン際に張るだけではなく、積極的にゲームメイクに絡み、時にはドリブルでサイドを強襲した。そして本来のポジションに入った後半、攻守でそのプレーは輝きを増した。

 5月に2種登録された茨田は今季トップチームに交じって練習してきたこともあり、自身も想像していた以上のプレーを披露した。特に守備面で「あっさりボールが取れた」と違いを見せ付ける。そして個人技で相手のマークを外して決定的な仕事もしてのけた攻撃センスの高さ。その技術と判断力はこの日、ピッチに立った選手たちのなかで明らかに抜け出ていた。

(取材・文 吉田太郎)

特設:Jユースカップ2009

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