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[天皇杯]遠藤2発などでG大阪が4発快勝、連覇達成

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[1.1 天皇杯決勝 G大阪4-1名古屋 国立]

 天皇杯は1日、東京・国立競技場で決勝が行われ、ガンバ大阪名古屋グランパスを4-1で下し、2連覇を達成した。G大阪は前半6分、FWルーカスが先制点を決めると、同40分にMF中村直志のゴールで同点に追いつかれたが、後半32分にMF遠藤保仁、同41分にMF二川孝広のゴールで突き放し、ロスタイムには再び遠藤が決め、4-1と快勝した。

 G大阪は負傷明けのGK松代直樹が先発。DF高木和道が出場停止の4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大と並んだ。中盤は遠藤保仁と明神智和がダブルボランチを組み、右に橋本英郎、左に二川孝広。ルーカスと山崎雅人が2トップを組んだ。
 名古屋は右太もも裏を痛めていたDF阿部翔平が先発に復帰したが、左足首痛のDF増川隆洋はベンチスタートとなった。GK楢崎正剛、4バックは右から田中隼磨、バヤリッツァ、吉田麻也、阿部。中盤は吉村圭司をアンカーに、右前に中村直志、左前に小川佳純が入り、前線は右から玉田圭司、ケネディ、マギヌンの3トップを形成し、2試合の出場停止処分が明けたマギヌンが先発に戻った。

 試合は立ち上がり6分、いきなり動いた。G大阪は左サイドからショートパスをつなぎ、完璧に名古屋の守備組織を崩す。遠藤、二川、山崎と細かくつないで、最後はルーカスが右足でフィニッシュ。鮮やかな先制点でG大阪が幸先良くリードを奪った。

 名古屋は前半14分、阿部の左クロスから玉田がヘディングシュートを放つが、GKの正面。単純なミスでボールを失ってG大阪の速攻を受けるなど、なかなかリズムに乗れずにいたが、徐々にパスが回り出し、両サイドからチャンスをうかがった。

 前半30分には左サイドからのパスに吉村がPA内に飛び出すと、鋭い切り返しで中澤をかわし、右足でシュート。これは惜しくもゴールポストに弾かれたが、前半40分、名古屋がついに同点に追いつく。

 玉田の右クロスをケネディが高い打点のヘディングで折り返すと、中村が体をのけぞらせながら頭で軌道を変える技ありゴール。名古屋が最高の時間で試合を振り出しに戻し、後半に突入した。

 後半も名古屋ペースで進む。4分には3トップの左にポジションを上げた小川のクロスにケネディが飛び込むと、GKの手よりも高い打点で捉えたが、わずかにゴール上へ。後半20分には阿部のスルーパスにマギヌンが2列目から飛び出し、左サイドの深い位置から折り返したが、走り込んだケネディには惜しくも合わなかった。

 名古屋は直後に小川に代えてMFブルザノビッチを投入。マギヌンが再び3トップの左サイドに移った。なかなか思うような試合運びができないG大阪は後半25分、山崎に代えてFWチョ・ジェジンをピッチに送り込み、打開を図る。

 後半28分、名古屋は玉田が中村とワンツーの形でPA内でパスを受けると、山口と交錯。玉田は倒れ込んだが、扇谷健司はシミュレーションを取り、玉田にイエローカードを提示した。

 再三のピンチをしのいだG大阪は、したたかにワンチャンスを逃さなかった。後半32分、遠藤が華麗なドリブルでDF2人をかわし、PAのわずか外側から左足一閃。ボールはゴール右隅に吸い込まれ、G大阪が2-1と勝ち越した。

 名古屋は後半35分、中村と吉村を下げてFW巻佑樹、MF三都主アレサンドロを投入。巻とケネディの2トップ、三都主とブルザノビッチのダブルボランチの4-4-2というリスクを冒した布陣で反撃に出た。

 しかし、試合を決めたのは、冷静沈着な遠藤のアシストだった。相手CKのカウンターから明神が粘って左サイドを駆け上がり、二川に預ける。右サイドをフリーで駆け上がった遠藤はPA内で二川からパスを受けると、シュートフェイントで楢崎の体勢を崩し、落ち着いて左横の二川にラストパス。フリーの二川は右足で難なくゴールに流し込み、3-1と突き放した。

 後半ロスタイムには右クロスを胸トラップした遠藤が右足ボレーでゴールネットを揺らし、ダメ押しゴール。名古屋は10年ぶりの優勝ならず、ACL出場権も獲得できなかった。

(取材・文 西山紘平)

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