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[高校選手権]碓井V弾!山梨学院大付が初出場初V!!

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[1.11 全国高校選手権決勝 山梨学院大付 1-0 青森山田 国立]

 第88回全国高校サッカー選手権決勝が11日、東京・国立競技場で行われ、ともに初優勝を目指す山梨学院大付(山梨)と青森山田(青森)が激突。前半11分にU-18日本代表候補MF碓井鉄平主将(3年)が挙げた1点を守った山梨学院が、86年度の東海大一(現東海大翔洋、静岡県)以来となる初出場初優勝、そして山梨県勢初優勝を果たした。

 新鋭・山梨学院の勢いが序盤から北の名門・青森山田を凌駕した。試合開始からアグレッシブに仕掛ける山梨学院は球際での攻防戦でも優位に立ち、相手に押し返す間を与えない。FW伊東拓弥とFW佐野敬祐(ともに3年)が次々とDFの背後を突き、あわやの場面をつくっていく。
 
 10分には伊東のスルーパスに佐野が反応。これは青森山田GK櫛引政敏(2年)の好守に阻まれたが、直後の11分だ。左サイドを深く突いたMF鈴木峻太(3年)から、PA内でフリーでパスを受けた碓井主将が右足を一閃。左45度の角度から放たれた強烈な一撃は、GKの右手の先を抜けてゴール右隅へと突き刺さった。

 縦へのフィードが山梨学院CB関篤志(2年)にことごとく跳ね返された青森山田はサイド攻撃も封殺され、得点機をつくりだすことができない。それでも24分に左サイドを駆け上がったU-17W杯日本代表SB中島龍基(3年)のクロスにFW野間涼太(3年)が飛び込み、28分にもドリブルで中央へ切れ込んだ中島のパスを受けたU-17W杯日本代表MF柴崎岳(2年)の右足シュートが枠を捉える。
 だが、前を向けば果敢に仕掛けてくる相手の両SH、U-18日本代表候補MF平塚拓真(3年)と鈴木、そして2トップの存在に悩まされる展開は変わらず、流れを引き寄せることができない。

 32分、優位に試合を進めていた山梨学院を突如アクシデントが襲う。右サイドで攻守に精力的なプレーを見せていたSB井上拓臣(3年)が右足を痛めて途中交代。サイドに蓋をしていた選手の離脱で流れが変わるかと思われた。ただ、山梨学院は緊急出場となったDF渡辺圭祐(3年)らが決定機をつくられながらも失点することなく前半を終えた。

 後半、同点に追いつきたい青森山田だったが山梨学院は7分、前半から思い切ったシュートを連発していた左SB藤巻謙(3年)がクロスバー直撃の左足ミドル。その後も鋭いカウンターで相手ゴールを襲うなど、自陣に引きこもることなく、攻める姿勢を見せ続けた。
 それでも後半、サイドを有効に使って攻め出した青森山田は22分に柴崎のスルーパスに中島が反応し、24分には柴崎の右クロスにFW成田鷹晃(2年)が飛び込む。そして28分にはPA内でこぼれ球を拾った野間が決定的な右足シュートを放つ。だが山梨学院はGK松田ラン(3年)が身体でストップ。得点を許さなかった。

 U-18日本代表候補MF椎名伸志主将(3年)と柴崎を中心に必死の反撃を展開する青森山田は、33分に185cmの長身CB櫛引信敏(3年)を前線へ投入。パワープレーへシフトするが、37分に野間のポストプレーから櫛引信が放った決定的な左足シュートは、山梨学院MF宮本龍(2年)がスーパークリア。山梨学院は安定した守備を続ける中田寛人(3年)と関の両CBに、宮本と碓井主将のボランチコンビも素早い反応でセカンドボールを拾い続ける。そして途中出場のU-18日本代表候補FW加部未蘭(2年)もセットプレーからのクロスボールをはじき返した。4分間のロスタイムも集中力を切らさなかった山梨学院が、高校ナンバー1の座に就いた。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009 

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