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"本田システム"に懐疑的な俊輔、「本田が何をするのか…」

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 日本代表は2日、3日のアジア杯予選・バーレーン戦に向け、試合会場の豊田スタジアムで公式練習を行った。1日夜に帰国したMF長谷部誠(ボルフスブルク)も合流し、20人で最終調整した。

 MF本田圭佑(CSKAモスクワ)とMF中村俊輔(横浜FM)。日本の誇るレフティーが共演する。これまで右MFのポジションを争ってきた2人が同時に先発するのは08年6月22日のW杯アジア3次予選・バーレーン戦以来、約2年ぶり。その後、中村が先発、本田が途中出場で両者が同時にピッチに立ったことも3試合あったが、その時間は合計しても105分間しかない。

 岡田武史監督は本田の攻撃力をより生かすため、4-2-3-1のトップ下のポジションを用意した。俊輔はいつも通りの右サイド。指揮官は「シュン(俊輔)にはシュンの、本田には本田の特徴がある。お互いの良さを生かし合うことができれば。本田はロシアに行ってから、プレースタイルというか、プレーのアグレッシブさが変わってきている。今までの本田よりも他の選手と合わせやすいのではないかと思っている」と期待を寄せたが、そう簡単に事は運ばなそうだ。

 前日練習では紅白戦を行い、実際に俊輔と本田が同じチームでプレーしたという。しかし、非公開練習を終え、報道陣の前に姿を現した俊輔は浮かない表情で口を開いた。

 「本田が何をするのか…。読めないというより、宙ぶらりんで、足元で受けることが多い。周りが気を使わないと消えちゃうかな。トップ下の位置で横に動くだけで、裏に抜ける動きがない。カメルーンみたいに強い相手になったら、どうなるかな」

 はっきりと“本田システム”に疑問を投げかけた。「今までは2トップが前で連動するから崩せていたけど、中でパスを回せなくて、外だけになるかもしれない。臨機応変に俺が中に入ったりしないといけないかな」と、攻撃に連動性を欠くことを心配していた。

 「(昨年11月の)アウェーの南アフリカ戦だって、わざわざ(右から本田、岡崎慎司、大久保嘉人の)3トップにしたのにあまり機能しなかったでしょ? トップ下というか、FWって考えた方がいい。その方が周りも割り切ってプレーできる。ゲームをつくるとかはしない方がいい。ただ、(相手の)ボランチに対する守備はやらないと。シュートだけ打てばいいっていうのは違う」

 俊輔の本田評はどこまでも手厳しかった。チームとしてどうやって本田を融合させるのか。それがバーレーン戦最大のテーマであり、南アフリカW杯で岡田ジャパンが勝つための道しるべになるはずが、チームのリーダーである俊輔は試合前から懐疑的だった。

 不安を抱えたまま迎える運命のバーレーン戦。本田と俊輔は共存できるのか。日本代表最大の難問に明日、答えが出る。

<写真>岡田監督が見つめる中、精力的に練習をこなしたMF本田圭佑

(取材・文 西山紘平)

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