beacon

塚本が手術前、最後の会見。「早くこのスタジアムに戻ってこれるように頑張ってきます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.7 J1第1節 大宮3-0C大阪 NACK]

 右大腿骨骨肉腫の病気、いわゆる癌(がん)にかかっていることを公表した大宮アルディージャのDF塚本泰史が7日のC大阪戦後、会見を行った。

 2月27日の癌公表後、チームを問わず多くの人から受けた激励メッセージや募金、支援基金に対し、感謝を述べたいという本人の意向から開かれた。

 塚本は3月中旬に手術を行う予定。この日の試合前にはサポーターから大歓声を受け、試合後はスタンド周辺を歩き、握手や挨拶をして回った。今後は、そんな声援をくれた人々の支え、チームメートがくれた勝利、様々な人の思いを力に変え、手術、リハビリに臨む決意を明かした。

以下、塚本のコメント

「本日は雨の中、寒い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。ほんと、今日の試合は一生忘れられない、最高の一日になりました。両チームとも一生懸命頑張ってくれて、特に大宮のみんなは、ほんと自分のことを思ってくれてるんだなと。ほんと気持ちが伝わってきたし、ホントにホントに、うれしかったです。サポーターのみなさんも素晴らしい声援を送ってくれて、セレッソのサポーターも全然、関係ないのに、最後まで残ってくれて、本当に感謝しています。

 この前、記者会見を開いてから、本当にたくさんの激励のメッセージをいただいて、またきのうは、他会場の試合でも、大宮と関係ないのに、熱い声援を送ってくれて、募金活動も行ってくれて。本当に、俺って幸せだなと思います。

 次は自分が頑張る番だなって、それが皆様に対する恩返しだなと思っています。ぼくの夢は日本代表に入るとか、W杯に出たいとか、そんなんじゃなくて、ただ単に純粋にサッカーをしたい、ピッチを全力で走って、みんなと笑いながらサッカーをしたい。一日も早くこのスタジアムに戻ってこれるように頑張ってきます。本当にありがとうございました」

―癌を公表して多くの人の激励を受けたと思うが、改めてどういう心境ですか?
「会見を開くまでは、毎日のように本当に悩んで、会見の時も、複雑な気持ちでいっぱいだったんですけど、皆様から暖かいメッセージをいただいて、大丈夫だな、俺は一人じゃないんだと、前向きに考えられるようになりました」

―試合後、チームメートとどんな話をしましたか?
「一人一人、握手して抱き合って、お互い涙をこぼしながら、本当にありがとうと伝えました。みんなからも『頑張れよ! 俺ら、やったぞ!』と。ほんと(手術とリハビリを)頑張らないといけないなと思いました」

―試合前、サポーターに一礼しましたが。
「ほんと、こんなことになるとは想像もしてなかったので・・・。でも、みんなの声援が胸に響いて、涙がこらえられなくて、言葉にできないくらい幸せでした」

以上

<写真>会見に臨む大宮DF塚本
(取材・文 近藤安弘)

TOP