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[ACL]川崎Fが1-3で敗戦。大雪ピッチに大苦戦し2連敗・・・

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[3.9 ACL第2節 川崎F1-3北京国安 等々力]

 AFCチャンピオンズリーグ2010(ACL)は9日に第2節が行われ、グループEの川崎フロンターレは北京国安(中国)とホーム等々力陸上競技場で対戦した。前節の城南一和(韓国)に0-2で敗れた川崎Fは何とかホームで勝ちたかったが、不慣れな積雪ピッチに苦しみ1-3で2連敗。ACLは最悪のスタートとなった。

 まるで真冬。それも関東地方とは思えない大雪に襲われた。試合開始約30分前から激しく雪が降り始め、ピッチは積雪で真っ白に。足元は滑り、ドリブルがしにくい悪条件下で試合が行われた。

 川崎Fは依然として、中村憲剛(下顎骨骨折)とジュニーニョ(右ふくらはぎ肉離れ)の主力2選手を欠いた。システムは4-3-3でGKは川島永嗣、DFラインは右から森勇介菊地光将伊藤宏樹小宮山尊信が入った。中盤はアンカーに稲本潤一、2列目に谷口博之田坂祐介。3トップは右から黒津勝、鄭大世レナチーニョが務めた。

 対する北京国安は4-5-1システムを採用。GKには2月の東アジア選手権でベストゴールキーパー賞を獲得した中国代表の楊智、ボランチには同じく東アジア選手権メンバーで中国代表の黄博文、トップ下には元オーストラリア代表ジョエル・グリフィス、1トップにはブラジル人ストライカーのオットーが入った。
  
 序盤、川崎Fは慣れない雪上でのプレーからミスを連発。前半4分、中盤の攻防に敗れて右サイドをえぐられクロスを入れられた。何とか菊地がクリアしたが、ひやりとさせられた。さらに同7分にも中盤でボールを奪われ再びカウンター。伊藤が何とかスライディングでクリアしたが、危うい空気が流れた。

 その後、個人技に優る川崎Fがペースを取り戻す。稲本が中盤の底でしっかりと守備をし、2列目の田坂、黒津、レナチーニョらにつなげた。そして前半10分、稲本の縦パスに黒津が抜け出してミドルシュート。その直後にはレナチーニョがPA外右からミドルシュートを放った。いずれもGKにセーブされたが、積極的なシュートでリズムをつかんだ。

 その後も、お互いにパスミスを恐れ、長めのボールが多用された。それでも川崎Fは黒津、レナチーニョが個人技を生かしてキープし、やや優位に試合を進める。しかし、雪ピッチ特有の悪夢が待っていた。

 前半37分、川崎F陣内でのルーズボールを大きくクリアしようとしたが、それが相手選手に当たって跳ね返り、何と“スルーパス”に。抜け出した北京国安のFWジョエル・グリフィスがドリブル突進。伊藤を振り切って先制点を決めた。

 それでも川崎Fはひるまなかった。すぐさま、同点に追いついてみせた。前半40分の左CK。田坂のキックに菊地光将が合わせて1-1とした。観戦に訪れていた中村憲剛も両こぶしを握り締めて喜んだ。前半はこのまま1-1で折り返した。

 ハーフタイムに、タッチラインやセンターサークルなどが雪かきされたが、後半も雪はやまずすぐに真っ白に。川崎Fは後半もややボールを支配したが、悪条件のピッチは怖い。後半6分、中盤の攻防からスルーパスを通される。何とか伊藤がクリアしたが、相変わらず、ちょっとしたミスが大ピンチにつながった。

 視界は悪いうえ、弱いキックのボールは転がらず、逆に少し強く蹴るとスリップして転がりすぎる・・・。走ってもスピードに乗りきれない。サッカーとは思えない試合内容が続く中、後半20分、川崎Fが痛恨の一撃を浴びた。北京国安のオットーが縦パスに抜け出し、PA内右でキープしながら中央へ折り返す。これを後半開始から途中出場のMF王長慶がシュート。きっちりと決め1-2とされてしまった。

 後半26分、川崎Fはレナチーニョに代えてFW矢島卓郎を投入。182cmと長身の矢島の空中戦に期待を寄せた。その後も、雪のピッチに足を取られる場面が続き、一進一退の攻防が続く。川崎Fはセットプレーから何度か好機を作るが、ゴールを割ることはできなかった。

 そして再び、ゴールを割られてしまった。後半40分、川崎F陣内での競り合いからボールがPA前にこぼれ、これを拾った王長慶が右足でループシュート。やや前に出ていたGK川島は追いつくことができず、ボールはゴールネットへ。1-3と突き放されてしまった。

 後半43分、川崎Fは田坂に代えてMF木村祐志、黒津に代えてFW登里享平を投入。何とか1点を返すため攻めようとするが、相手が引いて守ってきた。2分のロスタイムも無情に流れ、1-3・・・。大雪という最悪のピッチコンディションで川崎Fらしさが発揮できず、悔やまれるACL2連敗となった。

(取材・文 近藤安弘)


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