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[ナ杯]前年覇者F東京が名古屋と2-2ドロー。ルーキー重松がロスタイム弾!

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[3.31 ナビスコ杯第1節 F東京2-2名古屋 国立]

 2010年のナビスコ杯が31日、各地で開幕した。東京・国立競技場では前年度王者のFC東京名古屋グランパスが激突。名古屋がFWケネディ、DF千代反田充のゴールで後半ロスタイムまで1点リードしていたが、ドラマが起きた。F東京のルーキーFW重松健太郎が貴重なゴールを決めて2-2の引き分けに持ち込んだ。

 F東京は腰痛のため日本代表DF長友佑都が欠場。FWには鈴木達也が入った。システムは4-4-2でGKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、平松大志、今野泰幸、キム・ヨングン。中盤はボランチに本来は右SBの徳永悠平と羽生直剛、右MFに石川直宏、左MFに中村北斗、2トップは鈴木達也と平山相太が組んだ。

 対する名古屋は日本代表GK楢崎正剛が欠場し、玉田圭司小川佳純の中心選手はベンチスタートだった。だが、新潟から新加入したDF千代反田充が初先発。システムは4-3-3でGKは西村弘司、DFラインは右から田中隼磨、千代反田充、 田中マルクス闘莉王、阿部翔平。中盤はボランチがダニルソンで、2列目に中村直志とブルザノビッチ、3トップは頂点にケネディを置き、両脇に金崎夢生とマギヌンが入った。

 開始から個人技に勝る名古屋がやや押し込んだ。開始9分、縦パスからケネディが落としてブルザノビッチがシュート。ゴールネットに突き刺さったが、これはオフサイドの判定で無効となった。その後も、名古屋がマギヌン、ケネディが効果的に絡み、怖い攻撃を仕掛けた。

 対するF東京はDFラインからボールを回してじっくりと攻め込む。前半14分には鈴木がPA中央から左足でミドルシュート。惜しくも枠を外した。その1分後、今度は名古屋が逆襲。左サイドのショートFKから、阿部がドリブルで仕掛けてクロス。ダニルソンが右足でシュートを放つが上に外してしまった。

 F東京も徐々にペースをつかみ、ゴールをうかがう。前半20分、右サイドで平山が闘莉王のマークをかいくぐってヒールで石川へ。石川が羽生へつないで左足でシュート。しかし、これはクロスバーを直撃し、惜しくも先制点は生まれなかった。

 そんな中、名古屋が敵地で待望の先制点をつかんだ。前半30分、マギヌンの縦パスにケネディが飛び出し、左足でちょこんとループシュート。技ありの一撃はGK権田の頭上を抜いて、ゴールネットを揺らした。

 その後、F東京がボールを支配し、名古屋がカウンターという図式になるが、ともにバイタルエリアを攻略できない。それでも前半44分、名古屋は田中が右サイドからクロス。これをケネディが頭で合わせるが、わずかに上に外してしまった。ロスタイムは2分あったが、そのまま名古屋が1点リードで折り返した。

 後半、F東京は羽生に代えて森重真人を投入。CBに入り、今野がボランチに上がった。開始から3分、F東京がピンチを招く。セットプレーでPA内で平松が千代反田にファールを犯しPKを献上した。

 しかし、ここでロンドン世代のGK権田修一がビッグセーブを披露した。キックのうまいブルザノビッチの蹴ったPKをしっかりと読んで右に飛んでセーブ! 追加点を許さなかった。

 後半も地力に勝る名古屋がやや優位に試合を進めた。きっちり守って、奪ってから速い攻撃で仕掛ける。そんな中、F東京は後半10分、鈴木に代えてルーキーのFW重松健太郎を投入。28日のJリーグ大宮戦でデビュー戦ゴールを決めた新星に賭けた。

 後半14分、名古屋はマギヌンがミドルシュート。これはGK権田の正面をついた。F東京は16分、右サイドからのクロスを石川がやや遠い距離ながら右足ボレー。これは大きく上に外した。名古屋は後半18分、中村に代えて小川佳純を投入した。

 一進一退の攻防が続く中、F東京が綺麗な形で同点に追いついた。徳永が右サイドに展開し、石川がスピードに乗って突進。PA内右でグラウンダーで折り返すと、走り込んできた平山相太が右足できっちりと沈めて1-1同点とした。直後、F東京は中村に代えて大竹洋平を入れた。

 名古屋は後半28分、金崎に代えてFW玉田圭司を投入。逆転を狙いに行った。その1分後、名古屋が逆転に成功した。セットプレーのこぼれ球を千代反田充が右足で押し込み、2-1逆転に成功した。

 後半38分、名古屋はブルザノビッチに代えてMF吉村圭司を投入。中盤をダニルソンとのダブルボランチし、守備を引き締めた。
 
 その後、ボールをつなぎながら攻めるF東京とカウンターを狙う名古屋の図式に。一進一退の攻防が続く中、ロスタイムにドラマが待っていた。F東京の重松健太郎がPA左をパス交換で抜け出し2-2同点に追いつくゴール! 土壇場で振り出しに戻した。F東京にとっては大きなドロー劇だが、名古屋にとっては勝ち点を2落とした形になった。

<写真>劇的な同点ゴールを決めたF東京FW重松(24番)
(取材・文 近藤安弘)

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