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G大阪、初勝利も悪夢。5戦9発の平井が長期離脱も

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[4.10 J1第6節 大宮1-3G大阪 NACK]
 
 アウェーゴール裏のサポーターが「勝ったぞー!」の雄たけびを何度も挙げた。晴天にふさわしい笑顔が広がる。ガンバ大阪が今季6試合目でようやく初勝利をつかんだ。立役者は今やエースと呼ぶにふさわしい活躍を見せているFW平井将生だ。

 0-1の前半44分、今季リーグ戦初出場初先発し、左MFを務めた17歳の宇佐美貴史からパスを受け、PA左を突進。左足できっちり同点弾を決めると、後半4分にはCKからのこぼれ球を右足で押し込み2-1の逆転に導いた。

 「1点目はタカシ(宇佐美)がいいパスをくれたので、コースを狙うだけでした。2点目は“ごっつあん”です。それよりも、勝てたことがうれしい」

 リーグ戦3戦連発の5得点で暫定ながら得点ランクトップに躍り出た。ACLを含めると公式戦5戦連発の9得点。まさに大爆発だ。FW陣は造反劇で移籍したペドロ・ジュニオールのほか、ルーカスとチョ・ジェジンが怪我で不在。MFもこの日は司令塔の遠藤保仁が怪我で欠場と苦しい状況にあるが、22歳の新星が救った。

 そもそもこの試合、前半、これまで勝てていないという心理面から後手に回り、ミスを連発。8分にパスミスから失点した。その後もラファエル、藤本を怪我で欠く大宮に攻め込まれた。GK藤ヶ谷陽介のファインセーブ連発で何とか防ぎ、勝機を待った。平井の1点目は嫌な流れを変え、2点目はチームに勢いを付けた。

 しかし、素直には喜べなかった。平井は後半29分、左サイドでパスを受けてドリブルで駆け上がり、パスを出そうとした際、左太腿裏を痛めて転倒。担架で退場しFWドドと交代となった。

 試合後は松葉杖姿で現れ、「痛めたのは左太腿裏です。試合出場? たぶん、すぐには・・・。とりあえずあさって(月曜日)検査を受けますが、怪我した事がない場所なのでわからないです」と険しい表情で説明。肉離れの疑いがあり、長期離脱を示唆した。橋本英郎も左膝を痛めたようで、西野朗監督は「今、2人の顔色を見ても優れなかった。少し重いように思う」と嘆いた。

 リーグ戦初勝利でチームは上向く可能性もあるが、得点源の平井の怪我が長引くようだと、ACLもあるG大阪にとっては非常事態が続くことになる。ただこの日は、宇佐美のほか途中出場の19歳FW大塚翔平など若手が奮起した。苦しい状況は続くが、この白星を今後につなげたい。

<写真>G大阪FW平井(14番)
(取材・文 近藤安弘)

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