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[大学]流経柏出身7選手先発の流経大が快勝スタート:関東1部

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[4.10 関東大学1部L第2節 流通経済大 5-0 拓殖大 西が丘]

 第84回関東大学サッカーリーグ1部が10日に開幕し、3連覇を目指す流通経済大は初めて1部に参戦した拓殖大と対戦。FW武藤雄樹(4年=武相高)の2ゴールなど5-0で快勝した。

 本来左SBの比嘉祐介(3年=流通経済大柏高)とボランチ起用の可能性もあった山村和也(3年=国見高)の全日本大学選抜コンビを流経大・中野雄二監督は「安全策として」ともにCBで起用。まず守備の不安を消して試合に臨んだ王者は、1部デビュー戦の拓大から5得点を奪い快勝発進した。昨年の開幕戦(対東海大、4-0)の成績を上回る好発進。それでも試合後の指揮官は相手のクロスを跳ね返したCBコンビと、中盤をコントロールしたMF中里崇宏(3年=流通経済大柏高)と関戸健二(3年=旭高)のコンビこそ讃えたものの「ウチ自身がよかった訳ではない」「ポゼッションの状況からスピードを上げられていない」「ランニングする距離が短い」と反省点を次々と挙げて、試合内容への不満を明かしていた。

 比嘉と中里に加え、右SB保戸田春彦、右MF村瀬勇太、FW上條宏晃(いずれも3年)と全国2冠メンバーの3年生5人と4年生のGK白井裕人、左SB竹石翼と系列の流通経済大柏高出身選手7名が先発したこの試合。中里が「長い年月やっているからやりやすかった」と振り返った流経大は前半から相手に圧力をかけると、20分に左FKから中野監督が「得点王になってほしい。野球でいう4番バッター、ホームランバッター。記録に残るプレーをしてほしい」と期待するエースストライカーの武藤が先制ゴール。29分にも左CKからの混戦で相手のクリアを許さずにMFベロカル・フランク(4年=青森山田高)が押し込むと、41分にも鋭いカウンターからスルーパスで抜け出した武藤がゴールを破り、前半だけで3-0とする。

 拓大は昨年11ゴールを挙げ1部昇格の原動力となったFW三村真(4年=山陽高)とFW目黒祥晃(4年=利府高)のコンビを中心に反撃。後半10分には敵陣でパスカットした三村が決定的なループシュートを放ち、15分にも相手のDFの連携ミスから抜け出した三村が決定的な左足シュートへ持ち込む。だが、得点機を逃した拓大に対し流経大は18分に左サイドを簡単に破るとベロカルのラストパスを投入されたばかりのFW征矢智和(3年=東京Vユース)が左足ダイレクトで押し込み4-0。さらに30分には強烈なプレッシャーで相手ボールを強奪すると、一気に数的優位をつくり出し最後は征矢の出したスルーパスに長い距離を走りきったCBの比嘉が鮮やかな右足ループ。5点目のゴールを決めて開幕戦のゴールラッシュを締めた。

 球際の攻防戦で健闘し、数度の決定機もつくり出した拓大の玉井朗監督は「0-5というスコアほど、崩されて、崩されてという印象はない。ただ(流経大は)こちらの自滅を逃さない」と大差での敗戦、そして終盤に1点を奪おうという気迫が薄れたことも残念がった。

 一方の流経大は故障でこの日4年生GK白井に先発を譲っていた全日本大学選抜の守護神・増田卓也(3年=広島皆実高)が間もなく復帰する見通し。この日は7人が先発した流経柏出身組も出場は流動的で、激しいポジション争いを勝ち抜かなければならない。
 MF宇賀神友弥(現浦和)らが抜け、メンバーが大きく入れ替わった攻撃陣はまだ不安。今後メンバーの入れ替えもありそうだ。ただ、この日攻撃面に関して厳しかった中野監督も増田、山村、比嘉、中里を中心とした守備面には強い自信を持っており「苦しい試合になってもここで止められれば、1-0で勝っていく試合が多くなると思う」と期待していた。

<写真>前半41分、流経大FW武藤がこの日2点目のゴールを喜ぶ
(取材・文 吉田太郎)

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