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[スポ東]東洋大は強豪・学芸大にドロー。F東京U-18出身ルーキーが先発

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 第84回関東大学サッカーリーグ戦2部リーグが4月11日に開幕。東洋大は駒沢オリンピック公園総合運動場で東京学芸大と対戦したが0-0のスコアレスドローに終わった。

 ついに関東大学サッカーリーグ戦が開幕した。昨年、関東2部リーグ戦10位と好成績を残しきれなかった東洋大。今年度の好成績に期待がかった開幕戦となった。

 試合は、昨年3位の東京学芸大(以下、東学大)相手に引き分け、価値ある勝ち点1を手にした。スタメンに期待の1年生・FW年森(国1・FC東京U-18)らを起用。上級生たちのポジション変更など、心機一転した「新しい東洋大」の布陣で、東学大に挑む試合となった。

 立ち上がり、初戦の緊張もあったのか、序盤はボールがつながらず、なかなか前線にボールが渡らない。東学大にボールの支配権を奪われ、ゴール前では、息をのむシーンもあった。そのような中、ゲームキャプテンのMF新里(国4・八千代)やGK松下(国2・柏U-18)を中心とした守備陣の踏ん張りで、前半を無失点に防ぐ。

 迎えた後半戦。前半苦しめられたロングパスを攻略するため、前からプレッシャーをかけ、勝機を見出そうとする。結果、CKを始めとするチャンスの場面が増す。そして、後半22分、強豪校相手に一瞬の隙を突く。FW野崎(国2・大宮Y)が果敢に中央からドリブルで、東学大守備陣を突破し、MF勝野(国3・大宮Y)にボールが渡る。勝野はシュートを放つも、ボールはポストの上へ。東洋大にとって、この試合最高の歓声が沸いた。奇しくもゴールには結びつかなかったが、前半に比べ、攻撃陣の連携プレーが際立つ形となった。

 終盤ロスタイムに東学大は、最後の猛攻に打って出る。東学大のCKから、GK松下が前に出て一度はボールを弾くものの、近くのFWに拾われ強烈なシュートが放たれる。それをGK の背後に回り込んでいたDF陣がダイレクトで弾くファインプレーをみせる。フルタイムで集中力に長けたDF陣のプレーが終始、鉄壁を誇った。試合はそのまま両チーム0対0のまま終了した。

 課題であった不用意な失点を無くす為のDF陣の強化が、存分に見受けられた試合となった。新戦力とDF勢の無失点が光った「新しい東洋大」に大きな勝ち点1がついた。次節、青学大との一戦で、初白星を狙う。


以下、試合後のコメント

・西脇監督
―結果は引き分けだったが
「これから上位の大学とやっていくので、1点でも勝ち点が取れたのは大きい。いかに勝ち点を取っていくか。日が経つにつれて、これ(1点)が大きくなると思う」

―今日は1年生やリーグ戦初出場の選手がメンバーに名を連ねていたが。
「1年生に関しては、2ヶ月指導していて、ファイトできる選手を選んだ。1年生も問題なし。初出場の選手も不安は無かった」

―試合展開について。
「前半はロングボールと足元にやわらかいボールを入れられてしまっていた。だから、ハーフタイムではプレッシャーのかけ方などを指示した。後半は決定的なチャンスもあったて、良くなった。守備は90分無失点で抑えられ、比較的新里も含めた3、4人で安定していた。ただ、シュートチャンスを作られていたし、改善点はまだまだある。攻撃はグラウンド状況もあり、足元でつないでいくのは無理だと思った。今日はボールを拾っていく、という統一した意識を持ってプレーできていた」

―次節に向けて。
「多分メンバーはこのままでいくと思う。青学大は力がある。だから、しぶとく苦しいところを耐えて、ワンチャンスを狙っていきたい」

・新里(国4・八千代)ゲームキャプテン
「今日はゲームキャプテンになってびっくりした。緊張した(笑)」

―試合展開について。
「前半はみんな固くなっていた。もったいなかったと思う。後半からはサイドの裏とかを使って上手くやれていたと思う。守備陣は安定していた。次節の青学大は強いけど、いつも通りやれば勝てない相手ではないと思う」

・若狭(国3・浦和学院)
「周りの人たちは皆東学大が勝つと思っていただろうから、思いきりやることができた。引き分けは悪い結果ではない。戦う気持ちをもってやったから、無失点だったのはよかった。皆集中していた。
年森・三田・桑田は前から練習試合とかで一緒にプレーしたし、コミュニケーションも良くとれてるから、連携で大きな問題はないと思う。試合にも慣れてるから緊張もなかったと思う。三田は足が速いから、裏に抜かせることを考えた」

―DFに鈴木が入ったこと。
「松本は松本で、鈴木は鈴木。どっちが優れているかというわけではない。松本にはスピードがあるけど、鈴木ならフィジカルがある。鈴木は同じ3年生だからやりやすい。
青学大戦も戦う気持ちを持って頑張りたい」

・松下(国2・柏U-18)
「良い感じに調子は上がっている。初戦だったから、無失点に抑えていきたかったので、抑えられたのは良かった」

―何度もファインセーブをしてたが。
「周りに、支えられたからだと思う。次節に向けて? 今年の目標は1部昇格すること。調子は上がっているし、練習試合から負けることは少なくないので、いけそうな感じがする」

・年森(国1・FC東京U-18)
「初出場だから、チャレンジャーの気持ちを持って、ベストを尽くした。連携面では3ヶ月くらいプレーしたけど、守備面でまだ少し戸惑うことがある。今後良くなっていくと思う。東学大は一人一人がボールを持てるから、ある程度好きにやらせて、危険なエリアではしっかり止められた。前線からプレスをかけてボールを奪う。守備はFWからで、そのFWに指示を出すのが自分たち中盤。大学では頭を使わなければならない。一つ一つ考え、相手を見てプレーしなければならないということを、西脇監督から学んだ」

―同じく初出場の三田について。
「三田とは高校の時から仲が良い。試合中は何を考えているかが分かる。青学大戦で試合に出れたら、先輩たちに成長を見せたい」

<写真>東洋大イレブン

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大学サッカー

(文 スポーツ東洋・松尾尊弘)
(写真 同・草彅裕吾)

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