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[大学MOM62]筑波大MF小澤司(4年)_流経大沈めるV弾

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.24 関東大学1部第3節 流通経済大 0-1 筑波大 西が丘]

 バックスタンドへ向かって一直線に走り出した162cmの小さな10番を筑波大イレブンが歓声を上げながら一気に飲み込んだ。V3を狙う流通経済大と筑波大との一戦は0-0で試合終盤へ突入。筑波大は10番のエース、MF小澤司(4年=桐蔭学園高)がPAへ走りこんだSB原田圭輔(4年=藤枝東高)へワンツーからのラストパスを通し、FW瀬沼優司(2年=桐光学園高)に絶妙なスルーパスを送るが、流経大GK増田卓也(3年=広島皆実高)の好守の前にスコアを動かすことができないまま、試合は残り5分を切った。

 ただここで「今年は試合を決める存在になる」と誓う小澤が鮮やかな決勝ゴールで勝負に決着をつける。後半42分、筑波大は左サイドを突破したFW赤崎秀平(1年=佐賀東高)がGKとの1対1からシュート。これは増田に防がれたものの、その直後、ボールを拾った小澤が右足を振りぬくと「GKは見えていた。理想どおりのシュートだった」という一撃は、ビッグセーブを連発していた増田を破り、ゴールネットへと吸い込まれた。

 歓喜の中心となった小澤はチームがリーグ3位に入った08年シーズンに11アシストでアシスト王に輝いている。2列目の位置から繰り出すパスがチームに再三ゴールをもたらした。ただ、10番を背負った昨年はチームが9位と低迷しただけに、今年にかける意気込みは強い。ドリブル、パス、シュートとどれをとってもハイレベルな技巧派だが、今年は「上手いだけで終わりたくない。泥臭くてもいい。相手にとって『強い』『かなわない』と思われるチーム、個人になりたい」と意気込む。今年にかける10番の強い意志が生んだ値千金の一撃とチームの今季初勝利だった。

(取材・文 吉田太郎)

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