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日本代表がW杯へいよいよ始動、キャプテンは川口に決定

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 日本代表が21日、埼玉県内に集合し、いよいよW杯南アフリカ大会に向けた合宿をスタートさせた。練習前にはホテルでミーティングを行い、岡田武史監督が選手の前でチームキャプテンにGK川口能活(磐田)を指名した。

 岡田監督はミーティングに先駆け、早めにホテルに到着していた川口を自分の部屋に呼び、そこで「キャプテンをやってもらいたい」と伝えた。指揮官からの直接指名に川口は「喜んでやらせていただきます」と即答したという。

 09年1月28日のバーレーン戦以来、約1年4ヵ月ぶりの代表復帰。昨年9月に右脛骨を骨折し、今季公式戦出場がないまま、日本代表の直前合宿に合流した。それでも、日本が過去出場した3度のW杯すべてを経験し、98年フランス大会、06年ドイツ大会で正GKも務めた男の力が不可欠だと判断した。

 川口が代表を離れている間はDF中澤佑二(横浜FM)がキャプテンを務めてきたが、岡田監督は「上の選手が相談する相手がいないのかなというのは感じていた。自分たちで苦しんでいるようなところがあった」と言う。中澤やMF中村俊輔(横浜FM)らベテラン選手の負担を軽減する意味でも、チームキャプテンとゲームキャプテンを分けることを決めた。

チームキャプテンは川口。ゲームキャプテンについては「(川口)能活が試合に出たら能活。出なかったら、出た選手の中で決める」と話した。

 岡田監督は「W杯では選手同士のコミュニケーションが大事になってくる。その音頭を取れるというか、リーダーシップを取れる川口にお願いした」と、「キャプテン川口」の理由を説明する。「W杯に向けて大事なことはたくさんあるが、選手が自分たちからチームが勝つためにモチベーションを上げることが大きなポイントになる」。そうしたチームのムードを高めるけん引役となるのが川口。本人には「何かあれば、いつでも話し合う準備はできている」とも伝えるなど全幅の信頼を寄せていた。

 川口は「最初にホテルに入るときは緊張したけど、練習が始まってからは楽しく、違和感なくみんなとやれた」と合宿初日を振り返った。練習では全メニューを消化。「右内転筋は少し気になるけど、大丈夫。いい練習ができたし、自分のコンディションもしっかり上げていきたい」と力を込めた。

 チームの正GKはあくまでGK楢崎正剛(名古屋)。川口は「第3GK」という立場だが、「正直、今回のW杯は無理だと思っていた。その中でチャンスをもらえたので、試合に出る、出ないにかかわらず頑張りたい」と、日本のために自分ができることをやるつもりだ。

 「チームが勝つために最善の努力をしたい。ピッチの中でも外でも自分の持っているものをすべて出す。そういう覚悟でいる」。背番号は06年大会に続いて23に決定(98年は20番、02年は1番)。まさに23番目に選ばれた男の復帰で、日本がW杯で戦うための最後のピースが埋まった。

<写真>チームキャプテンに指名されたGK川口能活

(取材・文 西山紘平)

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