[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 JFAプリンスリーグ関東2部第9節 川崎F U-18 4-0 日本航空高 日産フィールド小机]

「仲川!輝人!」。昨シーズンまで川崎フロンターレに在籍した村上和弘(現大宮)のチャントに乗せた声が日産フィールド小机に何度も響き渡った。川崎F U-18のMF仲川輝人は163cmと上背は無いが、スピードとクイックネス、そしてキックがうまくシュートセンスに長け、セカンドストライカーとして川崎Fの攻撃を牽引している。彼とボランチの苅部隆太郎、右サイドの奥沢宏幸との強力トライアングルは、今年のチームの大きなウリでもある。

　この試合、仲川は日本航空のディフェンスラインの裏を何度も狙い続けた。23分には相手DFのパスミスをすかさず拾ってゴールに一直線に向かうと、GKまで交わし、決定的なシュートを放った。これはゴールにならなかったが、このプレーで詰め掛けた1,000人近い川崎Fサポーターの応援に火をつけた。

　34分にセットプレーから先制ゴールをお膳立てすると、21分にはゴール前の混戦から泥臭く決めて、試合を優位にした。さらに43分にダメ押しゴールを決めると、45分には奥沢のゴールを演出。2得点2アシストと、全得点に絡む活躍でチームを勝利に導いた。この活躍で彼は多くのサポーターを魅了し歓喜をもたらしたことで、しっかりとその名をサポーターの頭の中に刻み込んだのは間違いないだろう。

(取材・文　安藤隆人)