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[早スポ]早稲田大、決め手欠き駒澤大とドロー

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]
[6.12 関東大学1部第10節 早稲田大 0-0 駒澤大 古河]

 6月12日に行われた第84回関東大学サッカー1部リーグ第10節、早稲田大はここまで2位につけている好調・駒澤大と対戦した。試合は両者ともに決め手を欠き、0-0のスコアレスドローに終わった。

 決定的なチャンスはほとんど作れなかった。梅雨入り前とは思えない暑さと劣悪なピッチ状態の影響からか、うまく連携がかみ合わずなかなかパスがつながらない。「ゴール前のアイディアが乏しかった」とDF岡根直哉主将(4年=初芝橋本高、清水エスパルス加入内定)が語るように、相手にとって危険な位置までボールを運べず、ただ時間だけが過ぎてゆく。
 MF鈴木隆司(4年=川越高)を起点としたサイド攻撃はそれなりに機能していたが、結局前半のシュート数はわずか2。エースストライカーFW富山貴光(2年=矢板中央高、07年・08年ベガルタ仙台特別指定選手)ら前線陣も沈黙していた。

 後半に入るとすぐに、流れを変えようとFW小井土翔(3年=千葉U-18)が積極的にボールに絡み始める。2分、駒大DFをうまくかわし抜け出そうとしたところをPA付近で倒された。相手DFのファウルのようにも見えたが、主審は小井土へのイエローカードを提示。まさかの判定に小井土もいらだちを隠せない。それでも「自分のプレーの特徴の一つ」という体を張ったプレーから良い形が作り出される。MF奥井諒(3年=履正社高、写真)のドリブルなどもアクセントとなり、駒大ゴールに攻め込み始めた。

 だが暑さによる疲労からか、オフザボールの動きに乏しく分厚い攻撃が仕掛けられない。38分には富山をベンチに下げてFW松井亮大(3年=東海大五高)を投入し前線の活性化を図るが、ゴールをこじ開けることはできずにそのまま試合終了。リーグ戦では慶大に完封負けした第2節以来、実に8試合ぶりの無得点に終わった。

 それでも上位相手に勝ち点1を獲得できたのは、ひとえに守備陣の奮闘の賜物だろう。人数をかけて攻めてくる駒大に対し、岡根主将、MF山中真(3年=柏U-18)の両ボランチやDF畑尾大翔(2年=F東京U-18)とDF菅井順平(2年=浦和ユース)のCBコンビらが落ち着いて対応。1対1で負けることもほとんどなく、最後まで集中力を切らさなかった。GK菅野一弘(4年=早稲田実高)も好セーブを連発。クロスバーに助けられる幸運も味方し、駒大攻撃陣をシャットアウトした。

 10節を終えて、ワセダの成績は3勝3分4敗。直近の5試合で勝ち星から見放されてはいるが、この日の引き分けでリーグ戦の連敗は3で止めた。次週はいよいよ前期リーグ最終節の神奈川大戦。ひとまず悪い流れは断ち切ったが、「前期の全部をぶつけて勝たなければいけない」(岡根主将)次節の試合で『良い』流れを手繰り寄せ、6月25日に行われる早慶定期戦に臨めることを期待したい。

(取材・文 河野祐樹)

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