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[総理大臣杯]南ア帰りの永井と山村がいきなり激突!屈指の好カードは王者・福岡大が流通経済大下す!

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[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 流通経済大 2-3 福岡大 三木防災]

 2連覇を狙う前回大会の覇者・福岡大(九州1)と、3年ぶりの王座奪還を目指す流通経済大(関東5)。ともにW杯南アフリカ大会日本代表のサポートメンバーであるFW永井謙佑(福岡大4年=九州国際大付高、ヴィッセル神戸特別指定選手)、DF山村和也(流通経済大3年=国見高)という注目選手を擁する今大会屈指の好カードは、立ち上がりから激しく点を取り合う展開の末、福岡大が3-2で競り勝った。福岡大は6日の準々決勝で中京大と対戦する。

 先に試合を動かしたのは福岡大だった。10分、MF黒木恭平(3年=専大玉名高)のFKをU-19日本代表FW清武功暉(2年=大分U-18)が頭で合わせて先制すると、13分にはPA内で山村と永井が接触。これが山村のファウルと判断され、“注目の対決”はいきなり永井のPKという形で福岡大の追加点につながることに。だが、「今年のチームは2点取ってもすぐに1点とられる」との福岡大・乾真寛監督の言葉どおり、流経大がジリジリとラインを押し上げ福岡大ゴールに迫る。それでも決定的なシュートを放つチャンスまでは得られなかったが、29分にMF小島聖矢(3年=流通経済大柏高)のCKを主将のFW武藤雄樹(4年=武相高)がダイレクトで合わせて1点を返す。

 これで勢いに乗るかと思われた流経大だが、リーグ戦での不調を引きずってかなかなか攻撃の仕掛けをスピードアップすることができず、追加点を奪うことができない。逆に後半に入ると、福岡大・永井のスピードを意識して清武や両サイドにスペースを与える機会が増加。「(永井の)裏に出るタイミングはわかっていたが、サイドにふられたときのカバーリングにズレがあった」(山村)。結果、24分にCBのクリアミスを拾った清武が、この試合2ゴール目となる3点目で流経大を突き放した。

 だが、「関東王者」の面目にかけてこのままでは終われない流経大は立て続けにMF河本明人(2年=流通経済大柏高)、MFベロカル・フランク(4年=青森山田高)ら突破力とキープ力のある選手を投入。さらには山村をトップにあげるパワープレーで攻め上がり、42分にはFKからの混戦をDF小川晃平(2年=流通経済大柏高)が押しこんで2目をゲット。1点差まで追い詰めるが、流経大の反撃もここまで。残り時間をしたたかに守りきった福岡大が、連覇に向けて大きな第一歩を踏み出した。

 流経大はこの試合で、今季はCBとして起用しているU-21日本代表DF比嘉祐介(3年=流通経済大柏高)を左SBに戻してサイドからの攻撃を強化。リーグ戦での不調を払拭しようとしたが、狙いどおりの形が作れたとは言いがたい。「福大は縦にボールを入れてくるので意識しろといっていたのに、ファウルやミスが多すぎる」と中野雄二監督。前半の2失点も、DFが安易に永井の前に飛び込んだ結果とあって、「今年のチームはこれが精一杯」と呟くに留まった。

 一方、福岡大の乾監督も“永井効果”による得点力アップを認めながらも、守備面に対しては不安を隠さない。昨年の福岡大は堅固な守備をベースに総理大臣杯優勝、インカレ準優勝という結果を成し遂げたが、「昨年のレギュラーメンバー、特にGKの河田晃兵(現G大阪)、CBの宮路洋輔(現福岡)の抜けた守備の穴は埋まりきってはいない」(乾監督)。ディフェンスラインの意識を高めるため、ゲームキャプテンを2年生のCB・牟田雄祐(筑陽学園高)にまかせた成果がどう現れるのか。“新生・福岡大”に期待したい。

(取材・文 飯嶋玲子)

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