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[全国総体]「後半の滝川二」ルーテル学院を逆転し23年ぶり4強

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[8.5 全国高校総体準々決勝 ルーテル学院 1-2 滝川二 具志川多種目球技場Bコート]

 平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」は5日、準々決勝を行い、うるま市の具志川多種目球技場Bコートでは初の4強進出を目指すルーテル学院(熊本)と87年以来となる4強を狙う滝川二が激突。後半19分に先制されながらもDF土師直大とFW樋口寛規のゴールで逆転した滝川二(兵庫)が2-1で勝ち、87年以来23年ぶりの4強進出を果たした。滝川二は初の決勝進出を懸け、あす6日の準決勝で西武台(埼玉1)と戦う。

 「後半の滝二」だ。後半19分、ルーテル学院の2年生FW伊藤卓に3戦連発となる先制ゴールを献上。前半は相手の2倍以上となるシュート9本を放ちながら無得点に終わり、ゲームメーカーのMF村上裕亮主将中心にチャンスをつくるルーテル学院に隙を突かれて失点と試合展開としては決してよくなかった。それでも「1点取られても落ち着いていた。後半得意というのもあったと思うけれど、選手が立派でした」と栫裕保監督が振り返ったように、慌てなかった滝川二は23分、左FK後の混戦から中央の土師が右足で同点ゴール。そして28分には「同点になったら次も取れる」とイメージしていた指揮官の期待通り、抜け出した樋口の豪快な右足シュートで試合をひっくり返した。

 今大会5得点中4点が後半のゴール。Jクラブユース勢などと対峙したプリンスリーグ関西では全18得点中13得点が後半にたたき出したものだった。後半の強さの要因はその得点力。技術は昨年、一昨年のチームにも及ばないというが、栫監督は「チャンスに決める、(追い込まれても)最後にシュートを打てるというところも今年の方が強い」と分析する。FW浜口孝太主将と樋口という得点力の高い2トップを擁し、右MF濱田量也と左MF白岩涼の両サイドハーフも大事な場面で決めきる力を持つ。その武器があるからこそ、樋口も「先制されても逆転した経験があるし、きょうも(失点後)落ち着いて試合ができた」。優勝した近畿高校サッカー選手権でも金光大阪(大阪)との決勝で後半追いつき延長戦の末に逆転勝ちしていたが、大一番で同じように劇的な試合を演じて見せた。

 これで現日本代表FW岡崎慎司(清水)を擁した04年の8強を上回る4強入り。初の決勝進出まであと1勝、そして夏の日本一まであと2勝に迫った。樋口は「最近夏は結果が出ていなかった(過去4年で出場1回1勝のみ)。決勝にはまだ1回も行っていないので歴史を塗り替えたい。まずはあす勝って(決勝進出チームが獲得する)高円宮杯出場を決めたい」と宣言。失点にも動じない関西王者が、3チームが残った関東包囲網を突破して歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)
写真協力『高校サッカー年鑑』

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