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[MOM294]滝川二FW樋口寛規(3年)_“眠れる獅子”ついに目覚める!

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.5 全国高校総体準々決勝 ルーテル学院 1-2 滝川二 具志川多種目球技場Bコート]

 思い切り右足を振りぬいた。先制された滝川二は後半23分に同点に追いつくとさらに28分、MF濱田量也のパスからドリブルで仕掛けたFW樋口寛規(3年)がGKと1対1となる。「ここまで調子がよくなかったので、とにかく枠にいけばと思っていた」10番は不振の迷いを振り払って、得意の右足を強振。すると右サイドから放たれた豪快な一撃はニアサイドを破り、ゴールへと突き刺さった。

 今大会2トップでコンビを組むFW浜口孝太主将が2戦連発していた一方で樋口は無得点。県予選も1得点に終わっており「迷惑をかけたところがあった。だから活躍できてよかった」と何よりホッとした様子だった。

 この1点はチームを23年ぶりの4強へ導いたのと同時に大きな意味も持ちそうだ。ゴールした直後、ベンチでは「眠れる獅子が目覚めた」と沸いていたが、強豪集うプリンスリーグ関西で7ゴールを決めているエースストライカーの復活は、厳しい戦いが予想される準決勝、そして決勝勝利へ向けて追い風となることは間違いない。

 滝川二の先輩で日本代表FW岡崎慎司(清水)は、小学生時代に所属していた宝塚ジュニアFCの先輩でもある。「ボクは泥臭くゴールを奪うよりも、(コントロールした)シュートで決める方が得意。でも岡崎さんの泥臭さはFWとしてとても大事なこと」と、その良さを吸収中。この日は先輩譲りのがむしゃらさが決勝ゴールにつながった。チームメートたちから「岡崎に似ている」とも言われるというストライカーはこの日決めた「目覚めの」ゴールを皮切りに今後、チームのためにがむしゃらにゴールを重ねていく。

(取材・文 吉田太郎)
写真協力『高校サッカー年鑑』

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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