beacon

[MOM296]滝川二FW樋口寛規(3年)_チームの歴史を3発で塗り替える

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.6 全国高校総体準決勝 滝川二 4-0 西武台 具志川多種目球技場Bコート]

 まさしく彼の独り舞台だった。滝川二のFW樋口寛規(3年)は前半10分にDF高原真峰のセンタリングに素早く反応し、見事なボールコントロールから豪快に右足を振りぬき先制ゴール。後半10分には味方の左から右へのサイドチェンジに対し、「最後は自分のところにくると思った」とシュートを打てるポジショニングへ瞬時に入り、MF濱田量也の右からのセンタリングを冷静に決めた。

 さらに16分にはボールを中央で受けると、PAの外から豪快にゴールに突き刺し、ハットトリックを達成。小柄ながら、高い俊敏性とシュートセンス、かつ泥臭くゴールに突進している姿は、まさに大先輩の日本代表FW岡崎慎司(現清水)を髣髴させる。2人には多くの共通点があり、出身は岡崎と同じ宝塚ジュニア。岡崎本人に聞くと、「ああ、知っていますよ。僕が中3のときに小4でいました。生意気でしたね(笑)。でもいい選手でしたよ」と当時を振り返ってくれた。日本代表FWが『いい選手』とFWは同じ滝川二に進むと、プリンスリーグでは岡崎が1年生の頃に背負っていた背番号23を背負い、今大会ではナンバー10を任されている。

「憧れの人がワールドカップでゴールを決めたので、自分もやらないといけないと思った」。強烈な檄をテレビ越しから受け取った彼は、今大会大きく躍動し、チームの決勝進出の立役者となった。

(取材・文 安藤隆人)

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

TOP