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[全国総体]「動揺してしまった」滝川二、先制も悔い残る逆転負け

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[8.7 全国高校総体決勝 市立船橋 4-1 滝川二 与那城総合公園陸上競技場]

 滝川二(兵庫)の全国高校総体初優勝の夢は、延長前半に喫した3失点とともに儚く消えた。「負けるチームのパターンになってしまった」。栫裕保監督が無念さを滲ませながら口を開く。運動量が落ちて市立船橋に圧倒された延長前半に3失点。確かに延長戦での体力押し切られた敗戦は痛恨だったが、それ以上に70分間で勝ちきれなかったことがチームにとっては悔いが残った。

 強風に時折強雨までもが加わったこの日。風下の前半を0-0で切り抜けた滝川二は風上に立った後半に試合を決めにかかる。そして14分、中盤で相手ボールを引っ掛けるとMF谷口智紀とのホットラインで抜け出したFW浜口孝太主将が右足で鮮やかなループシュートを決めて先制。絶対的に優位な立場となる。

 的確なパスとトラップなど自陣からボールを失わずに敵陣ゴール近くまで運んでいた滝川二は、前半半ばから再三チャンスをつくっていただけに、このまま攻めて、押し切ることもできたはずだ。MF濱田量也のクロスとMF白岩涼の突破、そして浜口主将と樋口寛規の2トップの決定力など対戦相手の脅威。だが、全国総体を制した経験のないチームは無意識のうちに守勢に入ってしまう。

 その隙を突かれ、残り10分で同点。そして延長前半6分に勝ち越されると「逆転されたときに動揺してしまった」と浜口主将が振り返った通り、立て直すことができず、3連続失点で沖縄のピッチに沈んだ。樋口は「相手の方がチャンスが多かった。延長戦に入って3点入れられて、いろいろ差があると思うけど、技術など最後は全てで劣ったと思う」。

 ショックの残る敗戦。それでも浜口主将が「全国は甘くなかった。でも得るものはあったし、チームとしてはいい経験ができた」と話すなど各選手は前向きで表彰式後には笑顔だった。濱口主将は「『怯まず 驕らず 溌剌と』が自分たちのモットー。楽しみながら上位目指して行く。選手権では(決勝で)もう1個勝ちたい」と選手権で日本一に再チャレンジすることを誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)

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