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金崎がピクシーもべた褒めの“バイシクルシュート”!

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[8.28 J1第21節 名古屋1-0京都 瑞穂陸]

 名古屋グランパスのMF金崎夢生がまるでアニメのような? “バイシクルシュート”を決めた。前半23分、玉田圭司が左サイドを突破して中央へ横パス。中村直志が空振りし、浮いたボールを再び玉田が中へ。この浮き球から金崎が決勝点となる今季3得点目を決めたが、まさにアクロバティックなゴールだった。

 金崎はゴールエリア左で、ゴールに背を向けた状態だったが、とっさの判断で右足のアウトサイドで、まるで背中に目がついているかのように体をひねってシュート。跳ね返そうと構えていたGK水谷雄一をあざ笑うかのような一撃だった。

 「右足のアウトですね。しっかりと足を当てようと。目の前にボールが来たので、足を出しちゃえと」と金崎は涼しい表情で振り返った。小学校時代はフットサル・プレイヤーで、5年時には全日本少年フットサル大会で3位に入賞するなどした経歴を持つテクニシャン。狭いエリアでのプレーは得意といわんばかりの表情だった。

 これにはストイコビッチ監督も「金崎は難しい状態でもテクニックを活かして、完璧に決めてくれた。いいプレーをした」と褒めちぎった。指揮官は、持ち場の右サイドから中に入り込んでいくことを求めていたが、これをこなしたからこそのゴールだったから、高く評価した。金崎も「外から中に入っていった。久しぶりにうまく入れた。玉田との崩しもできてきた? ちょくちょくだけど、できてきた」と課題解消に手ごたえを口にした。

 とはいえ、目標は高い。金崎は「追加点を決めないといけない。先制して、追加点も取れないと苦しくなる。2点目を意識していかないといけない。先制して、追いつかれる前に、2点目を決めるようにならないと」とゴールへの執着心を口にした。

 27日に、9月4日のパラグアイ戦、同7日のグアテマラ戦の日本代表メンバーが発表された。同学年のMF乾貴士(C大阪)が復帰したが、同じく元日本代表の金崎には声がかからなかった。

 「選ぶのは僕じゃない。選ばれたら行くし、選ばれなかったら行かないだけ。ゴールを決められるよう、やっていくだけ」と静かな口調で語ったが、秘めるものはある。首位を走るチームのキーマンとしての誇りがある。悲願のリーグ制覇&日本代表復帰の“二兎”を追い、成し遂げてみせる。

<写真>ガッツポーズする名古屋ストイコビッチ監督

(取材・文 近藤安弘)

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