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初選出の細貝「気持ちを内に秘めてやりたい」

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 23人中ただ1人の初代表である細貝萌(浦和)は、紅白戦で本田圭佑(CSKAモスクワ)長友佑都(チェゼーナ)内田篤人(シャルケ04)ら海外組を中心とするチームのボランチとしてプレー。北京五輪組と久々に同じピッチに立ち、精力的に動き回った。

 「一緒にやったことのある選手も多いし、年上の人も多いけどみんなやさしい。緊張するということはなかった」と振り返ったように、“初顔合わせ”ながらも伸び伸びとプレーしていた印象だ。

 所属の浦和では6年目の今季、初めて念願のボランチのレギュラーポジションを獲得。W杯ベスト16の原動力となり、さきごろイングランド・チャンピオンシップ(2部相当)レスターへの移籍が決まったばかりの阿部勇樹とコンビを組み、急成長を遂げてきた。

 最大の持ち味は、甘いマスクからは想像もつかないような闘志あふれるボール奪取だ。加えて今季はオーバーラップを得意とする阿部から多くのものを学び取り、大きなトラップからボールを前へ持ち出しては、チャンスを量産している。

 代表合宿について「アピールというより楽しむことを考えたい。楽しめたと言えれば、プレー面でも充実していたということになると思う」と話す口調に気負いは感じられない。だが、胸の奥底にある意気込みは人一倍強い。

 「この合宿に来ている以上、責任を持ってやっていきたいし、浦和の代表として、しっかり日本を背負って立つよう、気持ちを内に秘めてやりたい。出られたら精一杯やる」と前を見据える細貝。

 阿部からは「頑張って来いよ」と言われたそうで、「チームで一緒にできなくなるのは寂しいけど、電話もできるし、連絡を取って助けてもらいながらやりたい」と笑顔を浮かべた。

 9月に入り、多少は涼しくなったとはいえ、まだまだ蒸し暑い日が続く。けれども細貝の練習着は、これまたただ一人、長袖。浦和と同じ“長袖スタイル”で代表定着に挑む。
(取材・文 矢内由美子)

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