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「上手かったし倒れない」元日本代表CB認めたU-19代表FW指宿が圧巻2発

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[9.26 練習試合 U-19日本代表 4-0 清水 三保G]

 「ボクはとにかく点を取るだけ」と誓うU-19日本代表FW指宿洋史(CEサバデルFC)が元日本代表CBをねじ伏せた。1本目20分、MF藤田息吹(慶應義塾大)からのパスをゴールに背を向けた状態で受けた指宿は鋭いターンでDF2人を置き去りにし、そのまま左足シュートをゴール右隅へと突き刺した。それもターンする際に奪いにきた元日本代表CB青山直晃の股間にボールを通す圧巻のプレー。「スペインでもやっている得意のプレー。DFが取りに来たのでターンしてかわして打った」と何食わぬ顔で振り返った指宿だったが、マッチアップした青山はこの日2得点を挙げた得点力に加え、前線で精度の高いポストプレー、キープ力も披露して見せた指宿について「上手かったし、ちょっと引っ張っても倒れない。失点シーンは寄せが甘かったかもしれない。足を出したら股を抜かれた」と舌を巻いていた。

 柏レイソルU-18からJリーグを経験せずにスペイン移籍を果たしてから1年9ヵ月。今季は同国3部クラブに所属しているが、20日のベニドーム戦でPKを決めるなど指宿は代表合流まで3試合連続ゴールを決めている。外国人選手との戦いを日常的に経験し、試合で結果も出してきた指宿は、青山が大怪我による長期離脱から復帰途中とはいえ元日本代表CB相手にも普段どおりのプレーができるところを印象付けた。この能力はアジアのライバルたちにとっても十分脅威になり、そして日本の大きな武器となるだろう。

 昨年はU-20日本代表に招集されたものの、現U-19日本代表世代の活動には参加していなかった。AFC U-19選手権予選(インドネシア)もメンバー外。今回のAFC U-19選手権は指宿にとっても経験のない、代表の青いユニホームを身にまとっての公式大会となる。それだけに「日本人でもこのエンブレムをつけられるのは限られた人だけ。誇りをもってやっていきたい」と意気込んだ。
 U-20W杯の出場権をかけたAFC U-19選手権初戦まであと8日。「とにかく勝つこと。ボクは代表に合わせて、その中で自分の色を出せればと思う。結果に内容もついてくれば最高だけど一番大事なのはワールドカップに出ること。ボクは(きょうのように結果を出すことを)続けていきたい」。海外でその力を磨く若武者は日本代表の誇りを持ってアジアのライバルたちに立ち向かう。

(取材・文 吉田太郎)
AFC U-19選手権

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